ジョニー・デップ製作/主演最新作『MINAMATA―ミナマター』が 9 月 23 日(木・祝)にTOHO シネマズ 日比谷他にて全国公開。
熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミス氏とアイリーン・美緒子・スミス氏が 1975 年に発表した写真集「MINAMATA」だ。
ジョニー・デップ自身が長年の憧れだったと語るユージン氏。彼の遺作ともなったこの写真集を基に、ジョニー自身の製作/主演で待望の映画化が実現した。映画では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージン氏が、当時の妻アイリーン氏とともに水俣を訪れ 1971 年から 1974 年の 3 年間現地で暮らし、人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を何百枚もの写真に収めていく濃密な日々がドラマチックに描かれる。「彼(ユージン氏)は心の中に痛みを抱えていた。でも、水俣が彼の心を再び開いたんだと思う」と語るジョニー・デップが容姿から内面に至るまで、傷ついた写真家が、再びカメラを手に取り、闘いに身を投じていくその生き様を見事に体現し現代に蘇らせた。本作は、2020 年ベルリン国際映画祭で特別招待作としてワールドプレミア上映され「デップが最高の演技を披露-THE PLAYLIST」「デップが役に消える—DEADLINE」とジョニーの魂の演技に各国メディアが絶賛。プレミアの模様は日本ほか世界中のメディアで報道された。共演はビル・ナイ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、など実力派キャストが集結。音楽を手掛けたのは坂本龍一。
今、若手俳優の中で最も注目を集めている若干 20 歳の新星、青木柚。映画『14 の夜』(16)で映画デビューし、その後『アイスと雨音』(18)、『暁闇』(19)、「きれいのくに」(21)など、話題の映画やドラマに出演。役によって印象がガラリと変わることから、「次世代のカメレオン俳優」とも称され、その圧倒的な演技力が話題となった。8 月 20 日から公開中の『うみべの女の子』(21)では主人公の磯辺恵介役に抜擢。「恋」と「性」の間で揺れ動く中学生というセンセーショナルな役柄を見事に演じ切り、その熱演ぶりが絶賛されている。
そんな大注目の俳優、青木柚が本作ではジョニー・デップと共演!ジョニー演じる伝説の写真家ユージン・スミスから、写真を教わる水俣病患者の青年シゲルを演じた。青木はジョニーとの共演について「突然且つ、身の丈に合わない機会に緊張していたのですが、いざ、現場でお会いすると、目が合う度に胸に手を当てお辞儀する仕草をして和ませてくれたり、一緒に写真を撮ろうと肩を組んでくれるような、寛大な方でした。『ユージンの特殊メイクしてるから、この写真を日本で見せても誰も僕だって気付かないだろうね!』と茶目っ気たっぷりに笑う姿は、僕の中にとても印象深く残っています。10代のうちにこんな経験ができたことは、僕の人生において大きな財産となりました。」と語る。
合わせて解禁された新場面写真には、シゲルがユージンのカメラで彼を撮影する様子やユージンがシゲルに語りかけるシーン、互いにじっと目を合わせる場面など、カメラを通じて 2 人が心を通わせていく姿が映し出されている。ジョニー・デップが「映画の持つ力をフルに活用して、この歴史は語り継がれなければならない」と映画化を熱望し、役者人生をかけて作った衝撃の感動作!注目の新人から世界で活躍する名優まで、日本人キャストも多数出演する本作の続報にご期待ください。
ストーリー
1971 年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀におかされ歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側──そんな光景に驚きながらもシャッターは冷静に切り続けるユージンは、チッソの社長からのネガを大金で買うという申し出を拒否したために危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。
ウィリアム・ユージン・スミス William Eugene Smith
1918 年 12 月 30 日、アメリカ・カンザス州ウィチタ生まれ。世界的写真家集団「マグナム・フォト」の正会員。太平洋戦争において、サイパン、沖縄、硫黄島で戦場カメラマンとして活躍。戦後は一般の人々の生活を捉えていき、「ライフ」誌で発表した「楽園へのあゆみ」、「カントリー・ドクター」、「スペインの村」、「助産師モード」などのフォト・エッセイは世界的評価を得る。52 歳の時に当時の妻アイリーンと水俣市に移住。3 年間水俣市に暮らしながら水俣病の問題を取材し、1975 年、アイリーンとの連名による写真集「MINMATA」がアメリカで出版され、世界中で大反響を呼んだ。翌年、ロバート・キャパ賞を受賞。1977 年末、死去。享年 59 歳。写真集「MINAMATA」がスミスの遺作となった。
製作:ジョニー・デップ 監督:アンドリュー・レヴィタス 脚本:デヴィッド・ケスラー 音楽:坂本龍一
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーン M.スミス(著)
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子 and ビル・ナイ
作品コピーライト:© 2020 MINAMATA FILM, LLC
提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド 配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
2020 年/アメリカ/英語・日本語/115 分/1.85 ビスタ/カラー/5.1ch/原題:MINAMATA/日本語字幕:髙内朝子
公式サイト:longride.jp/minamata/