現在女優のスカーレット・ヨハンソンから訴訟を起こされている米ウォルト・ディズニー社のCEOボブ・チャペックが9月22日、「ゴールドマン・サックス第30回コミュナコピア会議」に参加、投資家に向け裁判について言及した。
スカーレット・ヨハンソンの裁判は、彼女が主演した映画『ブラック・ウィドウ』の契約に関するもので、作品が映画館とディズニーの動画配信サービス「ディズニープラス」で同時配信されたことにより、正当な報酬が得られなかったと言うものだ。
Deadlineが報じたところによると、会議の中でボブ・チャペックは「ディズニー社はこれまで、タレントたちと非常に共生的で協力的な関係を築いてきました。これからもそうでしょう」と語ったという。
さらにチャペックは、「確実に世界は変化しています。そのためタレントたちとの契約も世界の変化を反映させたものでなければなりません」と続けた。
また、「我々は長きにわたってあまり変わってこなかった共通の認識のもとに映画を作ってきました。3、4年前に制作が合意された映画の契約は3、4年前に締結されたものなんです」と述べ、『ブラック・ウィドウ』の契約がコロナ禍以前の世界で結ばれたものであることを強調した。
[PR]そしてチャベックは、「新型コロナウイルスのパンデミックにより、顧客の意識が大きく変わっています。今の我々は、丸い穴に四角いペグを打ち込もうとしているようなものです。ある条件のもとで結ばれた契約が、実際には全く異なる条件のもとで公開されることになってしまっているのです」と述べた。つまり、コロナ禍の前に合意された契約が、現在のコロナ禍の世界にはまったくそぐわないものになっていて、それが今回の訴訟につながったとみているようだ。
そして「我々は現在、過渡期にあります。我々のすることの何がタレントたちにとって正しいのか、そしてタレントのすることの何が我々にとって正しいのか、そのギャップを見極め、よりよい道を見つけ出そうとしているのです」と、タレントたちへ敬意を持っていることも語った。
いまだ両者それぞれの主張をし、対立しているディズニーとスカーレット・ヨハンソン。8月に、スカーレットの弁護人ジョン・ベルリンスキはDeadline紙に対し、「ディズニー社は当初、スカーレットに対して女性差別的な攻撃でこの訴訟に対応し、その後やはり予想通り、自分たちの不正を非公開にしようとしている」とのコメントを寄せ、ディズニー側のやり方は、女性差別的であるとバッシングしていた。