ディズニー映画で描かれてきた古典的な“プリンセス像”が、現代の子どもに与える影響とは・・?最新の研究結果が発表された。
これまで『シンデレラ』『白雪姫』『眠れる森の美女』など、数々の名作アニメーションを世に送り出してきたディズニー。これらの作品はいまもなお、世界中の人々に愛されているが、その一方で、 ヒロインたちが共通して“王子様が現れるのをただひたすらじっと待つ女性”として描かれていることから、ディズニーの古典アニメにおける女性像は子供たちにまちがった価値観を植え付けるのではないかとも言われてきた。
度々問題提起されてきたディズニーアニメだが、型にはまったプリンセス像に幼い頃から親しむことは、子供の成長にそれほど悪影響を及ぼさないことがわかった。ブリガム・ヤング大学とリンフィールド大学の発表によると、幼少期にこれらの映画に夢中になった子供たちが健全なジェンダー(※)観、いわゆる柔軟な男女の性別への考え方を身につけていたことが確認されたという。
※社会的、文化的に作られた性別のこと。
この研究は、307名の子供たちを対象に行われ、“幼少期のプリンセス映画への関与と、思春期初期のジェンダーへの考え方、身体への自己肯定感との関連性”が調査された。
その結果、プリンセス映画に幼少期から親しむことは、成長後に男女の性別に対する偏った考えを持つことにはつながらないという結果が出た。さらに、“男性らしさ”や“女性らしさ”という社会の規範に対する意識が低いという。
これはつまり、「男の子なのだから泣いてはいけない」「女の子なのだから言葉遣いはていねいに」など、性別による誤った決めつけが少ないということだ。加えて、自己肯定感も高く、自分の身体に自信を持っているという傾向もみられたという。
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研究員は、「女性が主人公となるプリンセス映画は、同性の女の子たちに勇気や力を与えるのです」と説明している。長年に渡って女性の描かれ方が批判されてきたプリンセス映画だが、実際には女児にポジティブな影響を与えてきたのだ。
また、子どもたちがどのようなタイプのプリンセスを見たかは重要ではないことも確認された。家のために男性と偽って従軍した『ムーラン』を観て育っても、典型的な受け身のプリンセスである『シンデレラ』を観て育っても、成長後のジェンダー観には同様によい影響を与えるという。
この研究の結果を受け、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオは「ディズニー・アニメーションは、女性であろうと男性であろうと、ドラゴンであろうと雪男であろうと、親近感のある魅力的なキャラクターを生み出すことを目標に取り組んでいます」と語っている。
時代に合わせて変容をとげてきたプリンセスたちだが、これからも世界中の子供たちに夢と希望を与えてくれることだろう。
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