ネットフリックスで配信中で、現在最も注目されている韓国ドラマ「イカゲーム」。このドラマの韓国語から英語への翻訳をめぐり、批判が起こる事態となっている。
「イカゲーム」は9月17日に配信がスタートしたドラマで、借金を抱えた大人たちが子供向けのゲームで真剣勝負をし、トーナメント制のバトルに勝ち抜いたものが大金を手にできるという内容だ。勝者は見事に人生を逆転させることができる一方、敗者は命を落としてしまうという残酷なストーリーとなっている。
そんな中、コメディ作家で韓国語スピーカーのヨンミ・メイヤーが、このドラマにおける韓国語の訳し方に異議を唱えた。
@youngmimayer##squidgame translations are sooo wrong here’s a little example
ドラマに登場する人物はみな、低所得者で弱者的立場にあるにもかかわらず、英語に翻訳される時点でその設定が見落とされているというのだ。
ヨンミ・メイヤーは9月30日(木)、TikTokに動画を投稿。「もしあなたが韓国語を理解できないのであれば、『イカゲーム』を理解しているとはいえないわ」と語り、「脚本自体はとてもいいものなのに、翻訳で台無しにされている」と続けたのだった。
ヨンミは、あるキャラクターのセリフに添えられた英語版字幕「私は天才じゃないけど、なんとかやってみる」に注目。
「何でもないセリフのように思われるけど、ここには彼女がゲームに参加した理由が隠されているの」と語ったヨンミは、「彼女が韓国語で言っているのは、『私は本当はかしこいの!でも勉強できる機会がなかった』というもの。韓国メディアがよく使う表現なのよ。『頭がいい貧乏人は、ただ裕福でないだけだ』ってね。彼女のキャラクターを表す、重要なセリフなの」と付け加えた。
キャラクターのこのセリフには、「大金を手にすることができれば、きちんと教育を受けられる」という思いがこめられていたのだ。
ヨンミのこの動画はツイッターとTikTokで400万回以上の再生数を記録。他にも翻訳の違和感を指摘するユーザーがあらわれたことから、英語字幕で視聴するネットユーザーからは「正しい翻訳なのかが気になって仕方ない」「もしかしたら重要なセリフが間違っているかも」といった声が相次いでいる。