動画配信サービスを提供する米ネットフリックス社の社員1名が、社内情報を漏えいしたとして解雇された。
この情報には、「イカゲーム」や「デイブ・シャペル特集」といった人気コンテンツに対して、ネットフリックスが支払った金額などの機密事項が含まれていたという。
同社はこの社員を「社にとって重要機密であり、商業的にも取り扱いに十分な注意を必要とする事項を社外に漏えいした」として解雇した。
報道によると、この社員は「LGBTQ嫌悪」ととれる発言をしたデイブ・シャペルを特集した番組を放送した同社に反抗する意味でこの行動に出たという。
社員の解雇後、ネットフリックス社は「この社員は我々に対し失望し、傷ついたことにより、このような行動に出てしまったと理解しています。しかし、信頼と透明性の維持は我々の核となるものです」と声明を発表している。
なおBloomberg紙の記事では、ネットフリックス社が「イカゲーム」よりも「シャペル特集」の方により大きな金額を支払っていたことが明らかにされている。
記事によると、今回のシャペル特集「デイヴ・シャペルのこれでお開き」にネットフリックス社から支払われたのが2410万ドル(約27億5,500万円)だった一方、「イカゲーム」にネットフリックス社が負担したのは2140万ドル(約24億4,600万円)だったという。
また同じくコメディアンのボー・バーナムを特集した番組「ボー・バーナムの明けても暮れても巣ごもり」の製作コストは390万ドル(約4億4,576万円)程度だったそうだ。それでもこの番組はかなりの高評価を獲得している。
ネットフリックス社は作品の価値を評価するために「インパクトバリュー(影響値)」という指標を算出。各プロジェクトに費やす金額もこれをもとに判断されているという。インパクトバリューが1の場合、売上高と費用が等しくなり、損益がゼロとなる。
Bloombergによると、デイヴ・シャペルの2019年の「デイヴ・シャペルのどこ吹く風」は、インパクトバリューが0.8で、売上よりコストの方がかかっていたのだという。また「ボー・バーナムの明けても暮れても巣ごもり」は、2.8になったことを明らかにしており、ネットフリックスが大きな利益を得たことを示している。