映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』などの監督で知られるジョー・ルッソが、女優スカーレット・ヨハンソンによるディズニー社を相手取った訴訟について言及したことが話題となっている。
スカーレット・ヨハンソンは今年7月、自身が主演した映画『ブラック・ウィドウ』について、全国の劇場で公開されると同時にディズニーの動画配信サービス「ディズニープラス」の有料オプションでも配信されたことから、契約に違反しているとして裁判を起こしていた。この裁判については、先月30日に和解が成立している。
そんな中、ジョー・ルッソがこの件についてVariety紙の取材に答えた。
新型コロナウイルスによるパンデミック下での映画製作について「他の業界もそうだと思うんだけど、混乱が大きかったこともあって、常に高い緊張感を持ってのぞんでいたよ」と語り、「みんな神経がすりきれそうだった。何か起こるのか、これからどうなってしまうのか、予測するのがとても難しかったからね」と苦労を語った。
また『ブラック・ウィドウ』訴訟については「解決してよかったよ」と率直な思いを明かすと、「これは大きな変化が起こっていることを示しているんだろうね。和解という解決方法は、このような状況下において前に進もうとするアーティストへの敬意が込められているんだと思うよ」と付け加えている。
さらに今後の映画業界についてルッソは、劇場公開という手法が廃れることはないが、ストリーミングサービスの成長によって転換期を迎えていると語る。
「今後、インディペンデント映画を映画館で見るという状況が復活するとは思えない」と語ったルッソは、「デジタルで製作すれば、頭を悩ますこともないし稼ぎも大きくなる。ネットフリックスにとって最も簡単なことは、小規模な映画を積極的に採用していくことだろうね。僕も、それに他の映画制作者たちも気が付いたんだ。それなら誰に邪魔をされることもないってね。これはすばらしいことなんだよ」とストリーミングサービスが増加したことにより、映画製作へのハードルが下がるといういい兆候が見られると自身の見解を述べた。