ハロウィーンにマーベルヒーロー トニー・スターク(アイアンマン)のコスプレをしてスクールバスに乗ったことで、いじめられっ子たちにからかわれてしまった10歳の男の子。しかしそんなイジメに対し、男の子が取った勇気ある行動が話題になっている。
男の子の名前はエヴァン・ストラックマン。彼はハロウィーンのため、「カッコいいから」という理由で、『アイアンマン』のトニー・スタークのメイクとコスプレをして学校に行くことにした。
彼はこれまでにも、校内で写真を撮る「ピクチャーデー」にタキシードやスーツを着て行ったりするなど、遊び心にあふれた少年だという。
そのため母親のジル・スタークマンは毎年、彼が学校でからかわれていないか心配していたそうだが、それまで大きな問題は起こっていなかった。
ところが先週、ある問題が起きた。
その日の朝、学校で開かれるハロウィーン・パーティーを楽しみに出かけていったエヴァン。しかし到着してすぐ、母親のジルは学校から電話を受けたのだ。
学校の説明によると、エヴァンは学校に向かうバスの中で、数人からコスプレについて「お前、バカみたいだよ」「みんなお前のことバカだと思ってるよ」とからかわれたという。
Boy bullied for Tony Stark Halloween costume goes viral: ‘He’s just brave’https://t.co/VhjJO9eMx9
— Fox News (@FoxNews) October 29, 2021
この言葉にショックを受けたエヴァンは、学校に到着してすぐ、トニー・スタークのメイクを洗い流してしまった。その後、教務室に駆け込み、母親に迎えに来てほしいと電話するよう頼んだそうだ。
ジルはエヴァンを迎えに行ったあと、2人でスターバックスに立ち寄り、事情を聞いた。
「(2人で時間をかけて仕上げた)メイクを落としてしまってごめんなさい」と言うエヴァンに、ジルはコスプレがいかにすばらしかったか語ったという。
ジルはFOXニュースの取材に対し、「私は彼に、『あなたは自分のことがバカみたいだと思う?』とたずねました。すると彼は『いや、僕はすごくカッコいいと思うんだよ』と答えたんです」と明かすと、「そこで私は、『あなたはカッコいいわ。とてもカッコいい。そしてあなたも自分のことがカッコいいと思ってる。それなのに、たった数人の言葉に流されてしまうの?自分のことを決めさせてしまうの?』とさとしました」と続けた。
この母親の言葉がエヴァンの心にひびき、彼はまた学校に戻ることを決意。
ジルとエヴァンはすぐさま家に戻り、わずか5分でトニー・スタークのコスプレを仕上げ、学校に戻ったという。ジルがエヴァンを学校に迎えに行ってから、わずか1時間以内のできごとだった。
ジルによると、エヴァンは再び学校に戻った時点で少し不安そうな表情をしていたそうだが、結果的にハロウィーンパーティーを楽しんだという。
ジルは「『みんながカッコいいって言ってくれたよ!』と報告してくれました」と語っている。
ジルはその後、この一連のできごとを自身のフェイスブックに投稿。すると、おどろくほど多くのが反応あったという。
「ここまでの反響があることにおどろいています」と語ったジルは、「ここまで話題になったのは、きっと誰もがどこかで経験したことだからではないでしょうか」と続けた。
ジルはこの騒動を通して、息子の打たれ強さを知ったという。
「彼にしてみれば、家に帰ってしまった方が気が楽だったでしょう。でも私は、そこで彼が戻らなけれは、以前のようにイベントを楽しめる子には戻れないと考えたのです。この経験が彼を変えてくれるでしょう。私は学校に戻ってくれた彼をとても誇りに思います」と締めくくっている。