今年7月に開催された東京オリンピックにて、女子体操金メダルを獲得したアメリカ代表のスニ・リー(スニサ・リー)選手。そんな彼女が人種差別的な暴言を受け、催涙スプレーをかけられた経験があったことを明らかにした。
スニ・リー選手は東南アジアの少数民族「モン族」系の米国人として、初めてオリンピックに出場。金メダルを獲得するという快挙を達成したことで大きな話題となった。
そんな彼女が今回、「popsugar」のインタビューに登場。リー選手はこの中で、インタビューのわずか1週間前に被害にあっていたことを告白した。
事件は、リー選手と友人の女性たちがタクシーを待っている時に起こった。この時、一緒にいたのは全員アジア系だったという。
すると彼女たちのそばを1台の車が猛スピードで通過。その車に乗っていた複数人がリー選手達に対し、アジア系への差別的な意味を持つ「ching chong(チンチョン)」という単語や、「もといたところへ帰れ!」といった暴言を浴びせたそうだ。また通過する際には、リー選手の腕に催涙スプレーを浴びせたという。
リー選手はインタビューの中で、「もうとにかく怒りがわいた。でも彼らはすぐに走り去ってしまったから、どうすることもできなかったの」と振り返ると、「私は彼らに何もしていないわ。それに大事になってしまったらトラブルにもなりかねない。ただその場にいて流れに身を任せるしかなかった」と、悔しさをにじませた。
今年4月には、空手「形」アメリカ代表として東京オリンピックに出場した國米櫻選手が「国に帰れ!」と言った暴言を浴びせられた経験を告白している。國米櫻選手は日本人の両親のもとで生まれ、ハワイで育った。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、米国内ではアジア系に対する憎悪犯罪「ヘイトクライム」が増加の一途をたどっている。