11月5日、テキサス州ヒューストンの野外音楽ライブにて、多くの観客が前に押し寄せたことにより多数の死傷者が出た事故で、意識不明の重体になっていた9歳の少年エズラ・ブラウントくんが、14日(日)に亡くなったことが明らかになった。
エズラ・ブラウントくんは父親とともにこのライブを訪れており、事故発生時は父親の肩に乗ってスタートを待っていた。2人は前方に群がる観客を避けるため、後方にいたという。
父親のトレストン・ブラウントはABC13の取材に対し、「その一瞬は、全てがとても落ち着いた状態だった」と語っている。
ところが、主催のトラヴィス・スコットが登場する直前、興奮した観客たちがステージに押し寄せ、ブラウント親子も巻き込まれる形に。体が押し付けられた状態となり、父親は呼吸することさえ難しかったという。
父親は、「私は叫んだんです。『息ができない!』と。私の周囲の人にも、みんなそう言っていました。あの瞬間は、本当にどうすることもできなかった」と、当時の状況を明かしている。
そして混乱の中、父親は意識を失ったという。
父親が意識を取り戻した時には、エズラの姿が見えなくなっていた。パニックになった彼は医療テントや、負傷者が運び込まれた地元の病院に駆け込み、息子の行方を探したという。
その後、父親はエズラくんが病院で救命措置を受けていることを知らされたというが、エズラくんは地面に叩きつけられて踏まれ、内臓をひどく損傷。脳も腫れあがっていたという。
そして14日(日)、懸命な治療もむなしく、エズラくんはこの世を去った。これにより、この事故による死者は計10人となった。
父親によると、トラヴィス・スコットはエズラくんの大好きなラッパーだったという。父親は取材に対し、「エズラは、トラヴィスが登場したマクドナルドのCMからフォートナイトにいたるまで、欠かさずチェックするほどの大ファンでした」と語っている。