ドラマ「Empire 成功の代償」の俳優ジャシー・スモレットに危害を加えたのは、元恋人の歪んだ欲望によるものだったのか。「自作自演」と思われた裁判での加害者側の証言に注目が集まっている。
2019年1月、シカゴで人種差別や同性愛者差別主義者によるヘイトクライムの被害にあったと主張しながらも、後の捜査で「自作自演」であった疑いが浮上し、起訴されていた俳優のジャシー・スモレット。
裁判の4日目となった12月2日には、加害者として拘束された2人のナイジェリア人兄弟アビンボラ・オスンダイロとオラビンジョ・オスンダイロが検察側の重要証人として出廷し、弁護側からの反対尋問を受けた。
オスンダイロ兄弟はこれまで、ジャシーから金銭を受け取り、黒人差別的な言葉やトランプ支持者をあらわす「MAGA」の衣装を着るなどの指示を受けたうえで彼に暴行を加えたと主張していた。
一方、ジャシーの弁護人をつとめるシェイ・アレンは、兄弟が麻薬常習者であり、同性愛者嫌悪者であることを指摘。今回の犯罪も、同性愛者であることを公言しているジャシーに対する本物の「ヘイトクライム」であったと訴えている。
またシェイ・アレン弁護士によると、兄弟は同性愛者を嫌悪する思想を持っているにもかかわらず、弟のアビンボラ・オスンダイロはジャシーと交際していた過去があるという。2人はともにゲイ風俗店を訪れたこともあったようで、今回の暴行は「ジャシーの警備員になりたい」というアビンボラの欲望が歪んだ形で現れたのではないかと追及。
アレン弁護士はアビンボラに対し、裁判の中で「いつから交際していたのか」とたずねたが、アビンボラは「私たちには交際した事実はありません」ときっぱり否定していた。
ところがアレン弁護士が、ゲイ向け浴場の利用を確認したり、ゲイ・ポルノを見たことがあるかといった具体的な質問を立て続けにおこなったため、検察側が異議を唱える展開となった。
ジャシーの裁判は12月6日(月)に再開する予定だ。