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故アヴィーチーの父親、晩年の彼について語る「彼はアヴィーチーになりたかったわけではなくて…」輝かしいキャリアの裏で、アヴィーチーが抱えていた悩みとは・・?

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アヴィーチー

2018年4月にこの世を去った人気DJアヴィーチー(享年28)の父親が、晩年のアヴィーチーについて、最新インタビューの中で語っている。

アヴィーチー(本名:ティム・バークリング)はスウェーデン出身の音楽プロデューサー/DJ。生前「Levels」や「Wake Me Up」「Waiting For Love」など、世界的ヒットを連発。世界最高峰の音楽祭典「グラミー賞」では2度ノミネートをはたすなど、ダンス・ミュージック・シーンに大きな功績を残した。

【動画】アヴィーチー「Wake Me Up」ミュージック・ビデオ

そんなアヴィーチーは、キャリア絶頂期であった2016年、年内をもってDJ活動を休止することを突如として発表。決断の裏には長年抱えてきた「健康問題」があったといい、ウェブサイトを通じて公開されたファン宛ての手紙には、「決して音楽を手放すようなことはしません」と、コンサート活動は引退しても音楽制作は続ける決意を表明していた。

しかし、アヴィーチーは2018年4月20日、滞在先のオマーンにて死去。死因は自殺であった。

このほど、英サンデー・タイムズ紙のインタビューに応じたアヴィーチーの父、クラス・バークリング氏は、アヴィーチーが長年メンタルヘルスに苦しんでいたことを告白している。

生涯通じて、アヴィーチーはどうしようもないほど神経質な子だったと説明したクラス氏。なんでも、子供の頃からマジメだった彼は、高レベルの不安を抱えていたと言い、ニキビが出始めた10代頃から、その症状は悪化していったという。

クラス氏は同紙に対し「彼は恥ずがり屋だった。大勢の人がいる部屋に入って、話し始めたり、スピーチをするような人ではなかった」と語っており、最終的に「それが問題になった」と明かしている。

名声を得る一方で、内気であったアヴィーチーが気を紛らわすために頼ったのが「アルコール」だ。当初は、お酒で失敗したくないという想いから飲酒に抵抗を感じていたという彼だが、お酒を飲んでいないときの自分がいかに硬い人間であるかに気づき、2~3杯お酒をひっかけてからステージに立つようになっていったそうだ。

その後、アヴィーチーのアルコール依存症は急速に進行。過度な飲酒が原因とされる膵炎を度々起こし入院することになる。この痛みに対処するため、オピオイド(麻薬性鎮痛薬)治療を受けたというアヴィーチーだが、なんと今度は薬に頼るようになっていった。

クラス氏はこのとき、アヴィーチーの性格が以前と違うことに気がつき始めたという。同氏は当時のアヴィーチーについて「すぐに動揺し、すぐイライラするようになった。彼と話すのは大変だった」と述べている。

事の重大さに気がついた家族と友人は2015年、アヴィーチーに薬物やアルコール依存症の治療を受けさせることに。治療を受けるアヴィーチーを見て、彼が抱えている問題が改善するのではないかと期待したクラス氏だが、シラフとなったアヴィーチーは、自分の気持ちを対処する術(すべ)を持っていなかった。そんなアヴィーチーがDJ活動の休止を発表したのはその直後のことだ。

なお、クラス氏はアヴィーチーの死後、メンタル・ヘルスや自殺予防への啓発と支援を目的とした「ティム・バーグリング基金」を設立。その一方で、いまでも“愛息子ティム”を失った悲しみに対処しているという。

「(彼の死を受け入れるのが)いまでも難しいと思っています。ですが、いつかは乗り越えられる日が来るでしょう。ティムはここにいます。ティムはアヴィーチーという名前をとても誇りに思っていました。ですが、彼はアヴィーチーになりたいわけではなかった。彼はティムになりたかったのです」


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