世界中に熱狂的なファンを抱える人気ファンタジー『ハリー・ポッター』シリーズ。この中に登場する架空のスポーツ「クィディッチ」について、名称の変更が検討されているという。
これは、このスポーツの生みの親であり『ハリー・ポッター』の原作者であるJ.K.ローリングの、近年のSNSでの発言を受けたものだという。
J.K.ローリングは昨年夏、ツイッターでトランスジェンダーの人々を批判しているようにとれるメッセージを投稿。これには多くの批判が集まり、劇場版『ハリー・ポッター』の出演者からも苦言をていされた。これにともない、元旦に配信される劇場版公開から20周年を記念した特別番組への出演が見送られている。
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それでも彼女のスタンスは変わらず、最近もトランスジェンダーに理解を示していないという内容のツイートを発信し、その姿勢が再び物議をかもしている。
架空のスポーツであった「クィディッチ」は2005年、米ミドルバリー大学の学生たちの努力によって、現実世界にも取り入れられた。これをきっかけに、世界中のキャンパスに普及している。そして現在、プロリーグの「メジャーリーグ・クィディッチ」と「USクィディッチ」は、問題視されている原作者との著作権争いを回避するため、名称を変更し、このスポーツをさらに推進したいと考えているという。
「USクィディッチ」の役員マリー・キンバレーは発表した声明の中で、「スポーツの名称を変更することは2つの組織にとって大きな利益を生み出すものであり、競技人口を拡大していく上で必要不可欠なものだ」とつづっており、「我々の『クィディッチ』はジェンダー平等と包括性に関して最も理解の進んだスポーツの1つとして評価されてきた。同じジェンダーの人が4人以上、同時にフィールドにいてはいけないといったルールもある。我々はあらゆる面でこの評価に応える必要があり、今回の動きはそのためのステップだ」と、あくまでもローリングとはスタンスが異なるという姿勢を見せた。
「クィディッチ」は『ハリー・ポッター』ファンにとっても思い入れの深いスポーツ。今後の展開がどうなっていくのか、気になるところだろう。