イギリス王室は、エリザベス女王の次男アンドルー王子について、軍の肩書きや王室内での役職をすべて返上することを決定した。
これは、アンドルー王子が性的虐待事件において加害者として訴えられ、法廷に立つ可能性が高まったことを受けての措置だ。
英王室が発表した声明には、アンドルー王子の軍の肩書きや王室内での地位がはく奪されたことが記されており、エリザベス女王の承認も得られているという。
声明には、「女王の承認と合意により、ヨーク公爵(アンドルー王子)の軍での肩書きや王室での後援者の地位ははく奪された。ヨーク公爵は今後、いかなる公務にも参加せず、裁判には民間人としてのぞむことになる」とつづられていた。
また、王室レポーターのエミリー・ナッシュは、「アンドルー王子に対し、今後いっさい『殿下』という敬称が公的に使われることはありません。王室はこの問題について、家族内で広く話し合われたとしており、今後アンドルー王子の役職は他の王室メンバーに割り当てられ、本人に戻ることはないでしょう」と語っている。
Andrew will no longer use His Royal Highness title in any official capacity. Royal sources say matter has been widely discussed within the family. The titles will be redistributed among other family members and will not return to the Duke of York. #PrinceAndrew pic.twitter.com/iSDvLw9Xyf
— Emily Nash (@emynash) January 13, 2022
アンドルー王子は昨年、アメリカ人女性のバージニア・ジュフリーさんから、未成年の頃に性的虐待を受けたとして訴えられていた。当時アンドルー王子は、未成年売春をあっせんしていた大富豪ジェフリー・エプスタインとつながりがあったとされており、原告も虐待はジェフリー・エプスタインの所有地で複数回にわたり行われたと主張している。
この疑惑が2019年に報じられて以降、アンドルー王子は完全に否定していたが、公務からは外れていた。
またアンドルー王子側は、この提訴について却下を申し立てたが、アメリカ連邦裁判所により退けられており、今後裁判が進むことになる。