映画監督のリドリー・スコットが、ディズニーのファンタジー映画製作を断っていたことがわかった。
リドリー・スコットといえば、映画界で50年近くのキャリアを誇る超大物監督だ。これまで『エイリアン』シリーズはじめ、最新作では『ハウス・オブ・グッチ』『最後の決闘裁判』が話題となっている。
そんなスコット監督がこのたび、The Hollywood Reporterのインタビューに登場。ディズニー社の担当者と面会した際のできごとを振り返った。
ディズニー社は2019年、大手映画スタジオ「20世紀フォックス」を買収。企業カラーを一変させる方針を示した。スコット監督はそれまで、多くの作品でフォックスと協力関係を築いてきたが、ディズニーの方針には合わなかったようだ。
インタビューの中で「彼らは私に、魔法使いモノの映画を作ってほしかったようだ」とディズニーからのオファーについて語ったスコット監督は、「でも私は魔法使いモノはやらない。いいアイデアとはいえないよ」と断ったことを明らかにした。
スコット監督は、その歯に衣着せないコメントでも有名だ。最近では、短時間で多くのメディアから入れ替わり立ち替わりインタビューを受けるプロモーションの場にて、ある記者に「くたばれ!」と言い放ったことも話題になった。
映画界の現状についても多くの意見を述べてきたスコット監督だが、「魔法使いモノ」だけは、彼が批評しない唯一のジャンルだったのだ。
一方、昨年末、スコット監督はヒーロー映画について「脚本がおもしろくなくて、つまらない」と発言し物議をかもしている。
しかし、スコット監督はこれまでにも、大人をターゲットにした映画を作ることを強く支持しているため、今回の発言にも特におどろきはないと言えるだろう。
また、昨年発表した歴史映画『最後の決闘裁判』の興行収入があまりふるわなかったことから、コミック本を原作としたシリーズが大ヒットを記録していることにイライラしている部分もあったのではないかと伝えられている。