人気歌手で女優としても活躍するレディー・ガガが、長編映画で初主演を務めた『アリー/スター誕生』の撮影後に、自分のキャラクターとして何年も生きていたことを明かした。
レディー・ガガといえば、2001年に『The Sopranos(原題)』でスクリーンデビューを果たし、その後、『メン・イン・ブラック3』『マチェーテ・キルズ』などに出演。本格的に女優としての地位を固めたのは、「アメリカン・ホラー・ストーリー」のシーズン5からだった。
そして長編映画の初主演は、ブラッドリー・クーパーが監督を務めた『アリー/スター誕生』だ。歌手を目指すアリー役を演じたガガは、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、さらには「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』 愛のうた」でオリジナル楽曲賞を受賞し、話題となった。
その後、女優業から遠ざかっていたガガだが、リドリー・スコット監督の『ハウス・オブ・グッチ』でアダム・ドライバーと共演。マウリツィオ・グッチ殺害事件が描かれている本作で、ガガは見事にグッチ家崩壊を招くパトリツィア・レッジャーニを演じている。
ガガは先日、「Actors on Actors」シリーズでジェイク・ギレンホールと対談。その中で『アリー/スター誕生』撮影後もアリー役になりきっていたことを明かした。「私にとって、キャラクターを演じることは、ひとつの長い歌に生きているようなもの。何ヶ月も続く長い歌という感じね。『アリー/スター誕生』では(役を抜けるのに)何年もかかったわ。パトリツィアについては、彼女が殺人者で、心理的に超困難な変貌を遂げたため、より早く彼女の役から抜けたの」。
ガガが実践した“メゾット演技法”は、キャラクターの深層心理まで深堀りして、キャラクターのおかれた状況を擬似的に日常生活で体験し、自然と役に入り込むというもの。心理的にも役柄に没頭するこのメゾットは、ヒース・レジャーが『ダークナイト』でのジョーカーの役作りで不眠症に陥り、服用していた睡眠薬などから薬物併用摂取による急性薬物中毒で死亡してしまったということもあったため、賛否両論の声もある。
もちろんガガのメゾット演技法は、『ハウス・オブ・グッチ』公開までの間何度も話題になったが、一方でガガにとって、信じられないほど精神を消耗する経験であったこということを明かしている。