ヘレン・ミレンが、最新出演作の役柄をめぐる周囲の声に反応している。
ヘレン・ミレン(76)は、新作の伝記映画『Golda(原題)』にてイスラエル初の女性首相ゴルダ・メイアを演じている。ところがキャストが発表された際、ユダヤ人ではないヘレンがユダヤ人の象徴的な人物を演じることに一部から批判の声があがったのだ。
そんな中、ヘレンは最新のインタビューにて、この仕事を軽い気持ちで引き受けたわけではないことを強調した。
The Daily Mailのインタビューの中で、「この役を引き受けるにあたって、もちろん私自身の中でも疑問はあった」と語ったヘレンは、同作の監督であるガイ・ナティーヴに直接その疑問をぶつけたことも明かした。
「言ったのよ。『ねぇガイ、私はユダヤ人じゃない。それをじっくりと考えた上で、あなたが違う方向性で進めると決断するのであれば、責めるつもりはないわ。全面的に受け入れる』って」と、当時を振り返ったヘレンは、「でも彼はどうしても私にってことだったの。そして、実行に移したのよ」と、ヘレンが役を引き受けた経緯を語った。
さらに、ヘレンはこのインタビューで、作家モーリーン・リップマンがThe Guardian紙に寄せたこの配役への批判コメントについても言及している。
モーリーン・リップマンはコメントの中で、「もしそのキャラクターの民族性か性別、どちらかによって演者が決まるのであれば、民族性の方が優先されるべき」とつづっていた。
このコメントを受けヘレンは、「私自身も、これは議論されるべき問題だと考えているわ。全くもって正論よ」と理解を示していた。
一方ヘレンは、この議論がまた別の問題を生むことも指摘している。
ヘレンはインタビューの中で、「ユダヤ人ではない人はユダヤ人を演じてはいけない、となれば、ユダヤ人はユダヤ人ではない人物を演じることはできないのかしら」と疑問を投げかけている。