テスラ社のCEOとして知られるイーロン・マスクが設立したスタートアップ企業が、研究の中で8匹のサルの命を犠牲にしていたことがわかった。
これはビジネスニュースメディアFortuneが報じたもので、イーロン・マスクが設立したニューロテクノロジー企業「Neuralink」が、人間の脳にコンピューターチップを埋め込むという実験の中で、8匹のサルを犠牲にしたという。
今年1月、Fortuneは、Neuralink社が動物虐待を行なっていると告発する記事を掲載した。
また責任ある医療のための医師の会(PCRM)は、Neuralink社によって脳へのコンピューターチップ移植を受けた23匹のサルのうち、15匹が安楽死を余儀なくされたとして、先日行政訴訟を起こしている。
これらの疑惑についてNeuralink社は、カリフォルニア大学デイヴィス校で動物実験を行う中で、8匹のサルが安楽死したとこを認めるブログを投稿。一方で動物たちが極度の苦痛を受けたことは否定した。
この中で同社は、解剖しなければ得られないデータを収集するため、8匹のうち2匹の動物を「あらかじめ決められた日程に」安楽死させ、残り6匹は感染症4例、医療用接着剤への副反応1例、移植後の脳チップ故障1例などさまざまな合併症により、カリフォルニア大学の獣医スタッフからアドバイスを受けた上で安楽死させたことも付け加えている。
なお、Neuralinkは現在、動物実験の拠点をカリフォルニア州フリーモントにある同社本部内に移している。
Neuralink社は「カリフォルニア大学で行われるすべての動物実験は連邦法で義務付けられている動物実験委員会(IACUC)の承認を得ており、安楽死時期の決定を含むすべての医療および術後のサポートは献身的で熟練した獣医師スタッフによって監督されている」と述べている。
このブログを受けPCRMは「カリフォルニア大学で利用され、殺されたサルたちの大きな痛みを認めるものではない」と指摘。「安楽死させられる数ヶ月前から苦痛を受けていた可能性もある」と主張している。