2月24日(木)、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始した。これを受け、ネット上ではさまざまな情報が拡散されているが、動画共有アプリ「TikTok」では、「ニセ情報」と思われるものも多数発見されているという。
今回、ABCニュースのベン・コリンズ記者が、ツイッターにてTikTok上のニセ情報に関する注意喚起を行なっている。
ベン・コリンズが投稿したのは、TikTokに投稿され、2000万回以上再生されたという動画への警告。
この動画ではパラシュート降下する兵士の姿が記録されており、トップのコメントには「兄貴が侵攻の様子を記録している」とつづられている。
It doesn't take a ton of investigative work to find out that this video is not from the Ukrainian invasion. You don't have to do terrain mapping or anything fancy.
It's simple: A guy with the same username on Instagram posted this same video in April of 2016. pic.twitter.com/w9Oo4EJx3h
— Ben Collins (@oneunderscore__) February 24, 2022
多くの人々がこのパラシュート降下する兵士たちについて、ウクライナに侵攻しようとするロシア人兵だと勘違いしたのだろうか、動画はあっという間に拡散されてしまった。
ベンはこの投稿のスクリーンショットを掲載した上で、「これは違う。2016年のものだ」と訴えたのだ。
なお、ベンは続く投稿で、同じユーザーネームの人物が2016年4月にも、インスタグラム上で同じ動画を公開していることを指摘。この動画が現在のものであるかどうかは「検証するまでもない」とつづった。
また、今回の動画に「現時点で、TikTokがどのニュース番組よりもいい報道をしている」とのコメントがついていることを問題視したベンは、視聴者に勘違いさせる「チープフェイク動画」が増加しているとし、「よりセンセーショナルで、ホンモノがどうかわかりづらい動画が増えただけだ。みんな気をつけて!」と呼びかけている。
なお、TikTok上のこの動画は、すでに削除されている。
もちろんTikTokには、現在のウクライナの状況をリアルタイムで伝えているものもある。一方、寄付を募ったりフォロワーを増やす話題づくりのため、動画を加工したり他の場所のものを利用するユーザーが一部存在しているようだ。