ドラマ「ザ・クラウン」の小道具が、イギリスのドンカスターにある撮影セット付近で盗難されたことがわかった。
「ザ・クラウン」は2016年からネットフリックスで放送されている英国王室を舞台とした人気ドラマで、高級な小道具も多く使用されている。
今回、盗難にあったのは約20万ドル(約2311万円)相当の宝石、シルバー食器、骨董品で、中には1933年にエリザベス女王の祖父ジョージ5世が所有していたとされる名品「ファベルジェの卵」のレプリカも含まれているという。
盗難したのは窃盗グループとみられており、現在警察が捜査をすすめている。
関係者はサン紙の取材に対し、「窃盗グループは何とかして撮影トラックに近づき、破壊して侵入、盗みをはたらいたようだ」と語り、「プロデューサーは最新の注意をはかり、こだわりを持ってこの小道具たちを選んでいた。このような事件が起きることは、ただただ胸が痛い」と付け加えている。
また、別の関係者は「これ以上ないほどの悔しいタイミングでのできごとだ。プロデューサーは現在、必死で代替品を探している。しかしどれも独特な品ばかりであることを考えると、決して簡単ではないだろう」と語っている。
なお、管轄のサウスヨークシャー警察は今回の事件について、「映画やテレビ番組で使用される小道具が入った車3台が被害にあった。多数の物品が奪われたと報告を受けている」と詳細を明かしていた。
雑誌「Antiques Trade Gazette」によると、盗まれた物品は、「ファベルジェの卵」のレプリカをはじめ、銀の燭台12セット、金の燭台7セット、銀の化粧台10セット、 サンルイのクリスタルガラス製品やデキャンタなど多数にのぼるとされている。
「ザ・クラウン」は昨年12月、スタッフ内で新型コロナウイルス陽性者が出たため撮影を中断。1月に再開したばかりだった。