先週の「サタデー・ナイト・ライブ」のオープニングは、いつもとは雰囲気の異なるものだった。
「サタデー・ナイト・ライブ」といえば、アメリカで1975年から放送されている長寿バラエティ番組。オープニングではショートコントなどを披露し、笑いから入るのが通常の流れだ。
しかし2月26日(土)の放送回のオープニングで登場したのは、ニューヨークで活動するウクライナ人によるコーラスグループ「Ukrainian Chorus Dumka of New York」だった。
“Prayer for Ukraine” performed by Ukrainian Chorus Dumka of New York pic.twitter.com/5pi2l1Olpx
— Saturday Night Live – SNL (@nbcsnl) February 27, 2022
グループが番組の出演者であるケイト・マッキノンとシシリー・ストロングによって紹介されると、全員で「Prayer for Ukraine(ウクライナに祈りを)」という曲を披露した。
このオープニングは2月24日(木)、ロシアがウクライナに対して軍事侵攻を開始したことを受けて急きょ変更されたオープニングだった。
コーラスグループの前にはキャンドルが立てられ、この日にロシア軍が攻撃を開始した都市「KYIV(キエフ)」の文字がつづられていた。
「サタデー・ナイト・ライブ」のようなバラエティ番組が、「おちゃらけ」要素を排除し、シリアスなトーンからスタートするのは今回が初めてではない。
2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ。この事件の後最初の放送では、当時のニューヨーク市長だったルドルフ・ジュリアーニとニューヨーク警察、消防士たち、そして歌手のポール・サイモンが一緒に「The Boxer」を披露している。
また2016年、ドナルド・トランプがアメリカ大統領選に勝利した際には、ヒラリー・クリントンに扮したケイト・マッキノンがレナード・コーエンの「Hallelujah」をピアノで演奏した。