友人や家族が自分の子供のためにつけた名前を盗む「名前泥棒」が問題となっている。
愛する我が子への最初のプレゼントである「名前」。どの親も特別な思いを込めてつけているはずのその名前が他の人に奪われたとなれば、激怒するのは仕方のないことだろう。
専門家はこのような行為を、「重大な問題」だと警告している。
子供の名づけ情報サイト「BabyNames.com」の創設者でCEOのジェニファー・モリスは、The Post紙の取材に対し、「とてもひどい話です」と怒りをあらわにすると、「他人の名前を奪うということは、その子がすでに生まれているにしても、まだお腹の中にいるにしても、たとえ妊娠さえしていないにしても、多くの人間関係を台無しにしてしまいます」とつづけた。
さらに、「特に兄弟が名前をめぐって争うことになると、家庭崩壊につながる恐れもあります。そのような家族も多く見てきました」と語ったジェニファー・モリスは、「同じく、友情が壊れてしまうシーンも数多く見てきています」と付け加えている。
実業家でリアリティ・スターのカイリー・ジェンナーも、モデルのタミー・ヘンブロフと子供の名前をめぐって確執が生まれているという。
タミー・ヘンブロフには6歳の息子「ウルフ君」がいるが、この名前がカイリー・ジェンナーとトラヴィス・スコットの間に生まれた子につけられたことから、タミーが非難の声を挙げているのだ。
これはインスタグラムでタミーのファンが指摘したことから大炎上に発展した。
一方、ジェニファーは自分たちの名前が「パクられた」と感じる権利は親であれば誰にでもある、と認めた上で、残念ながら法的な措置を取ることはできないとしている。
「商標登録され、ビジネス目的で使用されない限り、名前そのものが著作権や独占権を保持することはできません。親にできることは『自分が一番最初につけた』と自慢することだけ。残念ですが、それ以上のことはできないのです」と語ったジェニファーは、近年ではアメリカ国内でも「キラキラネーム」と呼ばれる独特な名づけが流行しているとしたうえで、「めずらしい名前をつけることで、自分や自分の子どもがユニークな存在であると実感できるのでしょう。しかしカイリー・ジェンナーのような影響力のある人物がつけた子供の名前は、多くの人が使いたがるので、すぐにそのユニークさが失われてしまうのですよ」と説明している。