ハル・ベリーはアカデミー賞に対して思うところがあるようだ。
今回、New York Timesのインタビューに応じた女優のハル・ベリーは、自身が2001年、映画『チョコレート』でアフリカ系アメリカ人として初めてアカデミー賞主演女優賞を受賞して以降、同カテゴリーで20年経っても有色人種から受賞者が現れていないことに苦言を呈している。
インタビューの中で受賞当時を振り返ったハルは、有色人種の女優たちの扱いについて、当時から進歩していないと考えていることを認めた上で「当時は、ゴールデン・グローブ賞を受賞した人が、アカデミー賞も獲るような流れだったの」と語ると、「だからその年のアカデミーはあきらめてた。『ここにいられるのは光栄だけど、受賞はできないだろうな』って」と続けた。
この年、ゴールデン・グローブ賞の主演女優賞を受賞したのは『イン・ザ・ベッドルーム』に出演した白人女優シシー・スペイセクだった。そのため、ハルはアカデミー賞も彼女が受賞するものだと考えていたのだ。
ところが、その年のアカデミー賞はハルの手にわたった。
アカデミー賞主演女優賞を初めて受賞した有色人種の女優となったことについて、「それでも、きっかけにはならなかった」と口にしたハルは、「誰も私に続いていないという事実は、なんとも胸が痛むもの」と悔しさをにじませた。
その上でハルは、賞のあり方について「その人の成長や成功が、受賞歴だけで判断できるとは限らないわ」と語り、「賞って、ケーキのアイシングのようなものだと思っているの。同業者たちが、この年にあなたが特別優れていましたよ、というだけ。特別に優れていなかったら、偉大ではなかった、成功していなかった、世界を変えられるほどの演技ではなかったということになるのかしら。受賞できないことで、仕事が増えなかったりするのかしら?」と率直な思いを述べている。