マッツ・ミケルセンが、「メソッド演技法」に異議を唱えている。
「メソッド演技法」とは、役者自らの過去のトラウマや怒りを、キャラクターの人生に投影させることで、キャラクターの感情に共感するという演技テクニックのことだ。
このたび「GQ」イギリス版に、最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』のPRをかねて登場した俳優のマッツ・ミケルセンは、このメソッド演技法について「クソくらえだ」と言い放った。
インタビューの中でメソッド演技法について「発狂しかねない」と語ったマッツは、「とんでもないクソ映画だったらどうするんだ?どうやって自分の経験を投影させる?役を落とし込めていないやつに引き込まれるか?最初から引き受けるべきでないんだよ。連続殺人犯の役のためにどうやって準備するんだよ?2年もかけるつもりか?」と問題点を指摘した。
さらに歴史映画において役になりきることこそ重要と考える俳優の姿勢を疑問視したマッツは、「たとえばタバコを持ってる役だとする。このタバコは2020年のものだ。1870年じゃない。これに耐えられるのかな?」と語ると、「ただ気取って言ってるだけじゃないか!」と批判的な見解を示した。
ちなみにマッツは、ダニエル・デイ=ルイスといったメソッド演技法に近い俳優の演技をほめるような言葉も述べている。しかしマッツによると、彼の演技がすばらしいのは演技法によるものではなく、あくまでも本人の才能によるものだそうだ。
「ダニエル・デイ=ルイスはいい俳優だよね」と語ったマッツは、「でも、これは彼の才能だ。メディアなんかは、『彼はすごく真剣に打ち込んだから、こんなにすばらしい演技ができるんだ。賞をあげようじゃないか』って言うけどね。そこでメソッド演技法の話が出て、みんなの知るところになる。それで演技法が注目をあびるってわけさ」と付け加えている。