ラッパーのカニエ・ウェストが、無断で音声を使用したとして訴えられている。
5月3日(火)、ダラス連邦裁判所にてカニエ・ウェストを訴えたのは、テキサス在住のデヴィッド・ポール・モーテン牧師。彼はカニエの最新アルバム「Donda」に収録されている楽曲「Come To Life」にて、自身の説教の音声が許可なく使用されたと主張している。
【動画】Kanye West – Come to Life (Official Video)
TMZが入手した裁判資料によると、デヴィッド・ポール・モーテン牧師の説教の音声は、5分10秒間の楽曲のうち70秒間にわたり使用されているという。これは楽曲全体の20%を占めることになる。
この楽曲が収録されたアルバム「Donda」は、リリース直後にビルボートチャート1位を記録。今年のグラミー賞では年間アルバム賞にノミネートされた。
モーテン牧師は資料の中で、自身の説教の音声がイントロ部分から使用され、曲中ずっとループされているとし、これはカニエや音楽業界が、「同意や許可なく他人の音源を意図的かつひどいかたちでサンプリングしているものだ」と指摘。「悪しき習慣」だと述べていた。
カニエは2013年、楽曲「New Slaves」でハンガリー人歌手の音声を、2016年の楽曲「Ultralight Beam」にて子供の祈りの音声を、そして2018年のラッパーキッド・カディとのコラボレーション「Freeee (Ghost Town Pt. 2) 」にてジャマイカの活動家マーカス・ガーベイに関する舞台作品を、それぞれ無断で使用したとして訴えられた。
モーテン牧師は、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)、デフ・ジャム・レコーディングス、G.O.O.Dミュージックらも訴えており、これらすべての会社に損害賠償を求めている。
TMZはカニエのチームにコメントを求めたが、返答はなかったという。またモーテン牧師側の弁護人やUMGも、現時点でコメントを発表していない。