ビリー・アイリッシュが、時事問題よりも芸能人のスキャンダルに関心を持つ一部のネットユーザーに苦言を呈している。
このたび音楽情報サイト「NME」のインタビューに応えた歌手のビリー・アイリッシュは、今月初めにリリースした最新曲「TV」について語るとともに、一部のネットユーザーが、人工妊娠中絶禁止についての問題よりも、ジョニー・デップとアンバー・ハードのドロ沼法廷バトルに注目していることに異議を唱えた。
新曲「TV」の中でビリーは、「The internet’s gone wild watching movie stars on trial (インターネットでは、映画スターの法廷バトルで大盛り上がり)/ While they’re overturning Roe v. Wade.(国は『ロー対ウェイド事件』の判決をくつがえそうとしているのに)」と歌っている。
「ロー対ウェイド事件」は1973年、アメリカ最高裁が人工妊娠中絶を認める判決を出した歴史的な裁判だ。
そして先日、アメリカ最高裁はこの判決をくつがえし、人工妊娠中絶を禁止する決定を下した。
ビリーはこの内容を歌詞に込めた理由について、「私の体に関する権利を失うと知り、精神状態がすごく落ち込んでいたの。そこでインターネットで見てみた。この件について意見を述べている人たちがいるかもしれないと思って」と語ると、「だれも気にかけてすらいなかった。女性が、自分の体に関する権利を失おうとしている。なのになぜ、セレブの離婚裁判なんかの話をしているの?だれがそんなこと気にするの?そんなこと、自分たちで解決させなきゃ。ときどき、インターネットにはこんなふうにイライラさせられるの」と、重要な問題に目を向けようとしない一部のインターネットユーザーに苦言を呈した。