作家のジョイス・キャロル・オーツの同名小説が原作、マリリン・モンローの生涯を描いた映画『Blonde(原題)』。物議を醸していた本作を、ジョイス本人は絶賛している。
ジョイスは、マリリン・モンロー(ノーマ・ジーン・ベイカー)がアメリカの田舎町の少女からハリウッドのスター女優への人生をたどり、その旅における数々の試練を描いたフィクションの伝記を2000年に出版。アンドリュー・ドミニク監督は、この作品を映画化し、ネットフリックスのオリジナルコンテンツで、NC-17レーティング(17歳未満視聴禁止映)となったことでも話題となった。
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そんな本作、原作があまりにも生々しい内容だったことからネットフリックスが公開日をずらすなどして、物議を醸していた。本作で注目されているのは、モンローが初めて映画のオーディションを受けるシーン。それが彼女のキャリアをスタートさせることにつながるのだが、そのオーディションでは、ハラスメントや性的暴力が行われたのだという。本作はこうしたデリケートなテーマを描いているため、心配の声が上がっていた。
そんな中、ジョイスは映画のカットを見て、監督が自分の小説を忠実に再現することに「成功した」と考えていると述べている。「アンドリュー・ドミニク監督はとてもすばらしい監督です。ノーマ・ジーン・ベイカーの経験を、外から見るのではなく、彼女の視点から、つまり女性を見る男性の視線から見せることに成功したのだと思います。監督は彼女の視点に没頭したのです」と語った。
またアナ・デ・アルマスの演技について、マリリン・モンローへ変身があまりにも正確で、まるで俳優として「実在しない」、むしろ歴史上の人物に近いと推測していることを例えた。アナの変身した姿を見ることは「…まるでファンタスティックなイメージですが、それを生業にすることは、かなりの苦悩に耐えなければいけません」と語った。