ジョン・レノンの怒りが込められた手紙には、おどろきの値段がつくことになりそうだ。
このたびオークションに出品されるのは、伝説的ロックバンド ビートルズのメンバー、故ジョン・レノンが、同じくバンドメンバーのポール・マッカートニーに宛てて書いたとされる手紙。事前予想では、最高4万ドル(約539万7000円)もの値がつくとされている。
この手紙は、ビートルズ解散から1年半後の1971年11月にジョンが書いたとされるもので、3ページにわたっている。
John Lennon’s brutal breakup letter to Paul McCartney
The #Beatles pic.twitter.com/XvjtqT6evT— Beatles Archive (@BeatlesArchive2) August 9, 2022
なお、この手紙が送られる数週間前、ジョンは音楽雑誌のインタビューで、ポール・マッカートニーへの怒りをあらわにした。
ジョンとポールに関しては、バンド活動をしていたころから確執があったとされているが、その緊張が高まったのは、1970年の解散後、ポールがビートルズを訴えた時期だ。
この訴訟の中でポールは、バンドメンバーだったレノンとリンゴ・スター、ジョージ・ハリスンに対し、ビジネスの管理を前マネージャーから引き継いでいたアレン・クラインとのパートナーシップを解消するよう求めていた。
手紙の中で「もし君が侵略者でないなら、いったい誰が我々を法廷に連れ出し、公衆の面前で我々を罵倒(ばとう)したんだ!?」」と怒りをぶつけたジョンは、「前にも言ったが、君は自分が何かまちがっているかもしれないと考えたことがあるのか?我々とクラインに対する君の思い上がりは信じられないほどだ」とバッサリ。
ジョンの不満はそれだけにとどまらず、ポールの政治的姿勢にもおよんでいる。
当時、ジョンはベトナム戦争に反対を表明しており、平和を願う楽曲「Imagine」を書いたばかりだった。ポールはそんなジョンに対し、音楽雑誌の取材で「政治的なものが多すぎる」と指摘していた。
ジョンはポールのこの発言について、「君の政治姿勢は、(保守活動家の)メアリー・ホワイトハウスとよく似ている。何も言わないことは、何かを言うことと同じくらい声が大きいんだ」と皮肉った。
一方、ジョンはこの手紙の最後に、「どうか悪く思わないで」とつづっている。
手紙の最後は、「電話でもこの手紙でも言うが、会いたくなったらいつでも電話してくれ」と締めくくられている。