マーベル最新作『ソー:ラブ&サンダー』がLGBTの要素が含まれていることから、マレーシア政府は劇場公開を阻止した。これはディズニー映画『バズ・ライトイヤー』の上映禁止に続くものである。Varietyが報じている。閣僚は2日、政府がゲイ文化の抑制に取り組んでいることを明らかにした。
ディズニー映画『バズ・ライトイヤー』といえば、女性同士のキスシーンが描かれていることから、同性愛を犯罪とみなす、UAEやマレーシア、インドネシアといった中東やアジアなど14カ国で上映が禁止されることが決定し、公開前から物議をかもしていた。
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そして、マーベル最新作『ソー:ラブ&サンダー』も、検閲を通過しなかったという。ザヒディ・ザイヌル・アビディン通信・マルチメディア副大臣が明かしている。しかし同大臣は、映画館やテレビ放送のほか、その権限は限られており、国外に拠点を置くTikTokやNetflixなどのストリーミングサービスは対象外であることも明らかにした。そのため、ディズニーはマレーシア版ディズニープラス Hotstarで自由に映画を放映できるようで、『バズ・ライトイヤー』はすでに18歳以上推奨で同プラットフォームに掲載されていると報じられている。
「私たちは、オンラインで簡単にアクセスできる海外のプラットフォームをコントロールすることはできませんが、国内での活動には何の問題もありません。我々は常に厳正に対処しています」とコメントしている。マレーシア政府は、LGBTコンテンツの検閲に力を入れているため、ハリウッドスタジオや米国のプロデューサーとますます対立している。マレーシアはこれまでにも、『ロケットマン』を含むいくつかの映画の上映を阻止してきている。
過去に、『バズ・ライトイヤー』で主演を務めたクリス・エヴァンスは、映画に対する同性愛嫌悪の声に反論した。「Reuters」のインタビューでクリスは「何が真実かって、ああいう(同性愛を嫌悪する)人々はバカばっかりだっていうことさ」と率直に述べると、「ぼくたちが毎朝、目を覚ますたびに社会は進歩してきたはずだ。アメリカの物語、人類の物語は、つねに社会の気づきや成長を描いたもので、それがぼくたちのよさなんだよ」と続けていた。