J.K.ローリングの最新作が大きな話題となっている。
人気ファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズの原作者として知られるJ.K.ローリングがこのたび新作を発表した。
nme.comによると、このほど発表された新作は、彼女がロバート・ガルブレイス名義で手かげている犯罪スリラーシリーズ「私立探偵コーモラン・ストライク」の一環として出版されるといい、トランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪)発言をきっかけに、世間から見放されてしまったキャラクターが登場するという。
ローリングといえば、これまでトランスフォビアととられる発言を繰り返し、その度に世間から大きな批判を受けてきた。
「『月経のある人々』を指す言葉って、昔はあったような気がするけど。ウンベンだっけ?ウィンパンド?ウーベンだったかしら?」と、「月経がある人」のことを「女性(ウーマン)」と呼ばない世間を揶揄(やゆ)したツイートを発信した際には、映画版『ハリー・ポッター』に出演していたダニエル・ラドクリフらも苦言を呈したほどだ。
ローリング・ストーン誌が公開した、J.K.ローリングの最新作のあらすじは以下の通り。
「このたびローリング作品に登場するのは、YouTubeでアニメを製作するエディ・レッドウェル。そんな彼女が、作品の中で両性具有の虫をからかうような描写をしたことから、トランスフォビアであり、人種差別的であり、能力差別的だとネットで大炎上する。エディ・レッドウェルの自宅はネット上にさらされ、殺害とレイプの予告を受けたあげく、最終的に墓地で刺殺されているのが発見された。本書では、エディが政治的にあおられたヘイトキャンペーンの犠牲者として描かれている」
ローリング自身を彷彿(ほうふつ)とさせるような内容であるが、この本はじつは、それよりも前に書かれていたという。
あるインタビューでローリングは、「昨年のできごとを受けて書いたものではない、ということははっきりさせておきたいわ」と語り、「あのできごとが起こったときには、すでに書いていたの。みんな、この本が私の体験を反映したものだと思うかもしれないけど、じつはそうじゃないのよ」と付け加えている。