なぜ、イギリス王室のフィリップ殿下は「国王」ではなく「王配」だったのか。その理由についてnypost.comが解説している。
昨年4月に99歳で亡くなった、故エリザベス女王の夫エディンバラ公爵フィリップ殿下。その称号は「公爵」であり「王配」だった。
フィリップ殿下は、1947年に当時まだ王女だったエリザベス女王と結婚。以降74年にわたり、生涯のパートナーとして女王の隣でサポートし続けてきた。
しかし1952年にエリザベス女王が即位した際、フィリップ殿下の称号は「国王」にはならなかった。
これについては、長年王室に受け継がれてきたある「制度」が基準になっているという。
その制度とは、「国王」の称号を授けられるのは、「王冠を受け継いだ者のみ」というものだ。つまり、女王の夫はあくまでも「プリンス・コンソート(王配)」という称号にとどまる、ということを意味する。
しかしこれが、いずれ王になるロイヤルファミリーと結婚した女性の立場になると、ことなってくる。
たとえば、ケイト・ミドルトン(キャサリン妃)の場合だ。このたびエリザベス女王の死去にともない、王位継承順位第一位となったウィリアム皇太子の妻キャサリン妃は、ウィリアム皇太子が即位した際、その称号が「クイーン・コンソート(王妃)」となる。これは、イギリスの君主制において、本質的に王の地位が女王よりも高いとされているためだ。
フィリップ殿下の死から約1年半後、約70年という、英国君主として歴代最長の在位期間にわたりイギリスおよび連邦加盟国を導いてきたものの、9月8日(木)に死去したエリザベス女王。
スコットランド・バルモラル城で息を引き取った女王の遺体は、イギリス各地をめぐったのちにロンドンに移送され、19日(月)にウェストミンスター寺院にて、国葬が執り行われる。
棺はキングジョージ6世記念礼拝堂におさめられる予定で、フィリップ殿下の棺も女王の隣に移動されるという。