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Vol. 15. お熱い「豆のおかゆ」はお好き?
2001年4月10日
小学生のとき、きれいなイラストがたくさん入っている5冊の絵本を母親が買ってきてくれました。ページをめくるたびに、おかしな詩が書いてあります。くり返し読んでも、何がなんだかさっぱり分からないのですが、どこか不思議な魅力を感じる本でした。学校にも本を持っていって、友達に読ませて聞かせたところ、友達も変てこな話に大笑い。それから、その5冊の本は、ずっと私のお気に入りでした。
この5冊の本とは、1975年に発行された谷川俊太郎訳の「マザー・グースのうた」(草思社刊)のシリーズです。25年後の今でも、ちゃんと本棚に並んでいて、たまに、仕事用の資料としても使っています。
ご存知の方も多いと思いますが、「翻訳者の必読書」として、聖書、シェイクスピアに次いで上げられるのが「マザー・グース」です。「ただの童謡でしょ~」なんて、あなどることなかれ。数多くの小説、映画、テレビ番組などで引用されています。有名なところでは、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」などですね。そして「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」にも、ハンプティ・ダンプティなどの有名キャラクターが登場します。
また、古い映画ですが、マリリン・モンローの「お熱いのがお好き」の原題は、「Some Like It Hot」。これは、なんと「豆のおかゆ(Pease Porridge)」の歌から取ったもの。二人で向き合って、「熱い豆のおかゆが好きな人、冷たいのが好な人、9日経ったのが好きな人…」と歌いながら手を合わせるという遊び歌だそうです。
映画におけるマザー・グースの引用例については、こちらをどうぞ。
「大好き! マザーグース」
こちらは、鳥山さんという研究家の方によるすばらしいサイトで、なんと、344件もの引用例が紹介されています。また、鳥山さんの書かれた「映画の中のマザーグース」(鳥山淳子著、スクリーンプレイ出版、1300円)という本には、映画のセリフも対訳で紹介されていて、言葉の背景に関しても、細かな解説がついています。とってもおススメの本です。
さて、このマザー・グース、上記の谷川訳をはじめ、名訳がたくさん出ていますが、やっぱり日本語で読んだだけでは、本当の魅力がよく分かりません。これも「アリス」と同じように、英語のダジャレや、韻を踏むリズムの面白さがポイントだからです。そこで、何度か英語の音読に挑戦してみたのですが、「押韻」に慣れていない日本人の私がたどたどしく読んでも、どうもリズムがつかめませんでした。洋書屋さんで歌のテープを探し、何種類か買ってみたりもしたのですが、いかんせんお子様向けの内容ですので、オトナの私は、ちょっと拒絶反応を起こしてしまいます。(^^;;)
でも最近、おもしろいCDを手に入れました。上記の谷川訳の「マザー・グースのうた」のシリーズから、106編を選んで編集された「マザー・グース・ベスト」という本に付録として付いているCDです(草思社刊、本3冊とCDのセットで3800円)。谷川俊太郎氏による訳詩の朗読と、英国出身の俳優兼アナウンサー、ステュウット・A・アットキン(Stuart A. Atkin)氏による原詩の朗読が収められています。
なにがおもしろいって、このアットキンさんの朗読がすごいのです。手を叩いてリズムを取りながら早口言葉をまくしたてたり、伴奏なしで勝手に(?)歌ってみたり(ちょっと音がはずれてるのはご愛嬌)、動物の声を真似して奇声を上げたりと、大熱演。初めて聞いたときには、ちょっとビックリして「引いちゃった」私ですが、聞いているうちに、「ああ、こうやって、親が子供に読んで聞かせて、伝えてきた 歌ばかりなんだろうなあ…」と感じ、なんだかしみじみと感動してしまいました。
いままで「マザー・グース」を読んでもピンとこなかった方は、ぜひ、このCDを聞いてみてください。きっと、いろんな発見がありますよ。「ちょっとだけ聞いてみたいなあ」という方は、運がよければ、近くの図書館にあるかもしれませんから、探してみてくださいね~。(^o^)
この5冊の本とは、1975年に発行された谷川俊太郎訳の「マザー・グースのうた」(草思社刊)のシリーズです。25年後の今でも、ちゃんと本棚に並んでいて、たまに、仕事用の資料としても使っています。
ご存知の方も多いと思いますが、「翻訳者の必読書」として、聖書、シェイクスピアに次いで上げられるのが「マザー・グース」です。「ただの童謡でしょ~」なんて、あなどることなかれ。数多くの小説、映画、テレビ番組などで引用されています。有名なところでは、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」などですね。そして「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」にも、ハンプティ・ダンプティなどの有名キャラクターが登場します。
また、古い映画ですが、マリリン・モンローの「お熱いのがお好き」の原題は、「Some Like It Hot」。これは、なんと「豆のおかゆ(Pease Porridge)」の歌から取ったもの。二人で向き合って、「熱い豆のおかゆが好きな人、冷たいのが好な人、9日経ったのが好きな人…」と歌いながら手を合わせるという遊び歌だそうです。
映画におけるマザー・グースの引用例については、こちらをどうぞ。
「大好き! マザーグース」
こちらは、鳥山さんという研究家の方によるすばらしいサイトで、なんと、344件もの引用例が紹介されています。また、鳥山さんの書かれた「映画の中のマザーグース」(鳥山淳子著、スクリーンプレイ出版、1300円)という本には、映画のセリフも対訳で紹介されていて、言葉の背景に関しても、細かな解説がついています。とってもおススメの本です。
さて、このマザー・グース、上記の谷川訳をはじめ、名訳がたくさん出ていますが、やっぱり日本語で読んだだけでは、本当の魅力がよく分かりません。これも「アリス」と同じように、英語のダジャレや、韻を踏むリズムの面白さがポイントだからです。そこで、何度か英語の音読に挑戦してみたのですが、「押韻」に慣れていない日本人の私がたどたどしく読んでも、どうもリズムがつかめませんでした。洋書屋さんで歌のテープを探し、何種類か買ってみたりもしたのですが、いかんせんお子様向けの内容ですので、オトナの私は、ちょっと拒絶反応を起こしてしまいます。(^^;;)
でも最近、おもしろいCDを手に入れました。上記の谷川訳の「マザー・グースのうた」のシリーズから、106編を選んで編集された「マザー・グース・ベスト」という本に付録として付いているCDです(草思社刊、本3冊とCDのセットで3800円)。谷川俊太郎氏による訳詩の朗読と、英国出身の俳優兼アナウンサー、ステュウット・A・アットキン(Stuart A. Atkin)氏による原詩の朗読が収められています。
なにがおもしろいって、このアットキンさんの朗読がすごいのです。手を叩いてリズムを取りながら早口言葉をまくしたてたり、伴奏なしで勝手に(?)歌ってみたり(ちょっと音がはずれてるのはご愛嬌)、動物の声を真似して奇声を上げたりと、大熱演。初めて聞いたときには、ちょっとビックリして「引いちゃった」私ですが、聞いているうちに、「ああ、こうやって、親が子供に読んで聞かせて、伝えてきた 歌ばかりなんだろうなあ…」と感じ、なんだかしみじみと感動してしまいました。
いままで「マザー・グース」を読んでもピンとこなかった方は、ぜひ、このCDを聞いてみてください。きっと、いろんな発見がありますよ。「ちょっとだけ聞いてみたいなあ」という方は、運がよければ、近くの図書館にあるかもしれませんから、探してみてくださいね~。(^o^)
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