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LA直送!海外ドラマやじうまレポート詳細

Vol.29 アカデミー賞およびテレビドラマに見る、特大日本ブーム到来の予感!!

2007年3月15日
時期が時期なので、今回も前回に引き続き、アカデミー賞の話から始めたいと思います。 

今回のオスカーでは、日本が舞台の一つとなる『BABEL』や、全編日本語映画『硫黄島からの手紙』が最優勝作品賞にノミネートされ、さらには最優秀助演女優賞にも菊池凛子がノミネートされるなど、空前絶後の日本旋風が巻き起こった。残念ながら、それら2作品や菊池のオスカー受賞はならなかったが、アカデミー賞における「もう一つの戦い」では、菊池は完全に勝者の一人だったのだ。

「もう一つの戦い」というのは、レッドカーペットで繰り広げられる、華麗にして過酷(っていうか、さもしい)な“ファッション戦争”。正直、芸能番組や雑誌にとっては、どの作品や誰が受賞するかなんていうのは完全に二の次。彼らにとって重要なのは、どの女優がどんなドレスを着てくるか、そしてベストドレッサー、さらにはワーストドレッサーは誰か、という一点のみと言っても過言ではない。そこで、各誌各局ともにピーコ並に個性的なファッション評論家を連れてきては、「この女優のここがダメ」と、バッサバッサと斬り倒していくのだった。

で、そのような酸鼻を極める戦いにおいて、菊池凛子は、完全に勝利したのだ。この日、体にぴったりフィットしたシャネルの黒いドレスを身にまとった菊池は、アカデミー賞の中継を担当したABCのファッションチェックコーナーで「ベストドレッサー トップ5」に選ばれるという快挙を達成! ファッション評論家も、「自分のスタイルや肌の色に合ったドレスを選んでおり、自身を美しく見せる術を知っている。ゴージャスだ」と絶賛。さらには、米国最大のエンターテインメント番組『E!』も、「彼女のファッションに、通訳は必要ない。ホット、ホット、ホットだ!」と、こちらも最大級の賛辞を送っていた。

【大ヒットドラマ『Heroes』は、いたるところに“ニッポン”が溢れている!】
さて、前回のコラムで、「今、アメリカ・エンターテインメント界にはメキシコブームが到来している」と書いたが、実は、日本もちょっとしたブームである。先述したとおり、アカデミー賞では日本がらみの作品が複数ノミネートされた。そして、今シーズンのドラマ界最大のヒット作『Heroes』は、いろんな意味で日本色が非常に強い作品なのだ。

『Heroes』のことは、これまでも何度か同コラム内で触れてきたが、この作品、要所要所に日本のアニメや漫画の影響が色濃くうかがえる。ドラマの内容としては、「突如として様々な特殊能力(時間が止められるとか、人の考えが聞こえるとか)に目覚めた人間たちが世界各地で出現し、その能力者たちが敵と味方に別れて対立していく」というのがメイン・ストーリーなのだが、このプロットがそもそも、漫画『○ョ○ョの奇妙な冒険』にそっくり。そして、日本の漫画・アニメ文化に敬意を表してか、メインキャラクターの一人であるヒロ(時を止められる能力者)は、日本人俳優のマシ・オカさんが演じている。さらには、そのマシ・オカ演じるヒロが、「未来からやってきて、仲間の一人に忠告を送る」……という場面があるのだが、そのときの彼は大刀を背負っており、これは明らかに、『ド○ゴン・ボール』におけるト○ンクス登場シーンへのオマージュである。

【ヒロの父親を演じるのは、かのジョージ・タケイ氏!】
最近になり、この製作者たちの遊び心は、さらに加速を見せている。一月ほど前に放送されたエピソードで、ヒロの父親(当然、日本人という設定)が登場したのだが、この父親を演じるのは、日系人俳優のジョージ・タケイ氏! ジョージ・タケイ氏とは、かの有名なSFドラマ『スター・トレック』においてスールー艦長(吹き替え版での名前は、ミスター・カトー)を演じていた人物で、この手の作品が好きな人の間では、ちょっとした有名人なのだ。しかもこのお父さん、最初は単なるSFマニアを喜ばせるためだけのゲスト出演かと思いきや、最近になって、どうやら物語の根幹に大きく関わっているらしいことが判明! 心もとない日本語をしゃべる外国人部下をたくさん従える、ナゾ多き人物なのだ。

ちなみに、同ドラマは登場人物が非常に多く、時系列的にもかなり複雑なので、毎回異なる人物や出来事にスポットが当てられ、エピソードごとに登場人物が大きく異なる。にも関わらず、ここまでの全17エピソード、なんとヒロのみが皆勤賞なのだ(一部、幼少期のヒロも含む)。これだけでも、いかにこのヒロなる人物が重要な役割を果たしているかをご理解いただけるだろう。さらには、基本的にヒロとその親族や知人は日本語で話すので、毎回、かなりの会話が日本語で繰り広げられる(一部、かなりハラハラする日本語だが)。日本が舞台になるエピソードも多い(一部、車が左ハンドルだったりするが)。そんな訳で、今、日本はホットなのである!(一部、かなり歪んだ姿でお伝えされてはいるが)。

日本はホット、で思い出しましたが、今年の日本は暖冬だったそうですね。なんでも、観測史上初めて、東京で雪が降らなかったんだとか?地球温暖化は、本当に進んでいるみたいですね。アカデミー賞では、地球温暖化に警鐘を鳴らす映画『不都合な真実』が、最優秀ドキュメンタリー作品賞を取りました。アメリカでは、地球温暖化対策として、燃費の良いトヨタやホンダのハイブリット・カーに乗ろうという運動が盛んになってきています。

ここでも、日本はとってもホットです。