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Vol.7 2005年新春 アメリカTV界のお騒がせ者たち

2005年1月28日
2005年の全米芸能界は、ブラッド・ピット&ジェニファー・アニストンの、衝撃の“別離決意表明”で幕を開けた!! 先月のこのコラムで、「最近の二人には破局の噂がつきまとっている」と書いたばかりだが、そのコラムが掲載されてからわずか9日後の別離発表。タイミングが良いのやら悪いのやら……。なお日本では、主に“離婚”と報道されているようだが、あくまで“別離”であって、まだ離婚はしてないので、お間違いなく。

という訳で昨年末から不仲説がささやかれていた二人だが、年末年始にはカリブのビーチでキスしている姿などが目撃されており、世論的にも「どうやら円満らしい」との機運が漂っていただけに、今回の発表は全米にショックを与えた。ちなみにこのカリブバケーション、『フレンズ』で共演したコートニー・コックス夫妻と共に過ごしており、4人はコンドミニアムを借り切ってクルーズなどを楽しんだとのこと。さらに二人の別居決意を知ったコートニーは、ジェニファーに「いつでも、好きなだけ我が家に滞在してくれていいよ」と申し出ているのだとか!? 

さて、肝心の別居決意の原因だが、1月7日の公式発表では「タブロイド誌などで報じられていたことが原因ではない」と公言。ただ具体的な理由は明らかにされていないので、世間の憶測はますますつのるばかり。現在のところは、以前から言われている「子供に関する見解の相違が原因」との見方が大勢を占めている。実際問題ジェニファーは、現在撮影中の物なども含め6本(!?)の映画への出演が決まっており、すぐに子供を持つことはまず不可能。子供を切望していたブラピとの間に亀裂が生じた可能性は、確かに高い。『フレンズ』で圧倒的な知名度と人気を獲得し、2003年には世論調査で人気№1にまで輝いたジェニファーだが、それでもやはり映画出演に対する渇望は大きかったようだ。

アメリカでは、「映画俳優とTV俳優とでは、メジャーとマイナーリーグほどステータスの差がある」と言われており、“TVスター”から“映画スター”に昇格するのは並大抵のことではないと見られている。今、映画スターへの入り口に立っているジェニファーは、その道を突き進むことを自ら選び取ったのかも知れない。

さて、ジェニファーが望む「TVスターから映画スターへの道」だが、その難関コースを見事突破した女優が、現在人気を集めている。奇しくも彼女と同じファーストネームを持つ、ジェニファー・ガーナーだ。

TVドラマ『エイリアス』シリーズにて、セクシーな二重スパイをスタント無しで演じ人気が爆発! その勢いのまま映画『デアデビル』のキャストを射止め、さらには同映画で競演したベン・アフレックのハートまでをも射止めてしまったのだから、否が応でも世間の注目は集まった。さらに今年は、『デアデビル』のスピンオフ映画『Electra』に出演、堂々主役を演じるまでになったのだ! 年末年始は映画のプロモーションでTVに出まくり、年始のゴールデン・グローブ賞でも多くのカメラが彼女を追うことに奔走した。2002年のゴールデン・グローブ賞ではTVドラマシリーズの主演女優賞をゲットした彼女だが、今年は映画女優として、レッド・カーペットを優雅に歩いて見せた。

そのゴールデン・グローブ賞で、TVドラマ部門の話題をさらったのが『Desperate Housewives』。コメディ・ミュージカルシリーズ部門で、作品賞、さらにテリー・ハッチャーが主演女優賞を獲得。また『Desperate Housewives』の出演者の面々は、ゴールデン・グローブ賞で着ていたドレスを津波被害者救済のためチャリティー・オークションに出したことでも注目され、その影響力/人気を改めて示した形となった。

なお、テリー・ハッチャーはSAG賞の方でもコメディ部門女優賞にノミネートされており、ゴールデン・グローブとの2冠に挑んでいるのだが、その最大のライバルとなりそうなのが、パトリシア・ヒートン&ドリス・ロバーツ『Hey! レイモンド』勢。今年の5月で9年の歴史に幕を下ろすことになった『レイモンド』だが、コメディ部門男優賞にもレイ・ロマーノが選ばれており、別れを惜しむ声は大きい。

去るドラマあれば、来るドラマあり。1月からまた幾つかの新ドラマがスタートしたが、中でも大ヒットの兆しを見せているのが、『Numb3rs』! ちなみに、タイトル中の“3”は誤植ではないので、勘違いの無きよう。

このドラマは、またまたまたまたまたまたCBSが放つ“クライム”モノ。2匹目どころか10匹目くらいのドジョウ狙いだが、どれも当たっちゃうのがアメリカの不思議。ただ今回の『Numb3rs』が、これまでの犯罪モノと比べて一味ちがうのは、デヴィッド・クラムホルツ演じる天才数学者、チャーリーの存在ゆえだろう。このドラマの見所は、FBI捜査官の弟であるチャーリーが、明晰な頭脳と様々な数字を駆使し、数学の設問を解くかのごとく犯罪を解明していくシーンにある。「全ては数字で解明できる!」なんて決め台詞まであったりして、こそばゆくなるくらいにクール!! 1月末の第一回放送は、NFLプレイオフ中という激戦期間にも関わらず週間視聴者数5位に入っており、今後の動向が注目されている。なおデヴィッド・クラムホルツは、『ER/緊急救命室』にポール・ソブリキ役として出演していたので、ご存知の方も多いかと思う。

『ER』と言って真っ先に思いつくのはジョージ・クルーニーだが、考えてみればこの人こそ、「TVスターから映画スターへ華麗なる転身を果たした人物」の代名詞ではなかろうか? かつては出るドラマ出るドラマことごとく1クールで打ち切りになり、“13週俳優”というなんとも有り難くないニックネームまで頂戴していたのが、『ER』の大ヒットを契機に多くの映画に出演。コメディからヒューマニズム系まで幅広くこなし、今ではハリウッド映画を代表する俳優にまで成長した。ジェニファー・アニストンにとっては、まさに夢の体現者といったところだろう。さらには、多くのセレブに呼びかけ津波被害者救済のための一大チャリティー番組を決行するなど、人格者としても知られている。かのブラッド・ピットも、ジョージ・クルーニーの要望があったからこそ『オーシャンズ』シリーズに出演したと言われているほどだ。

……という訳で、徒然なるままにズルズル語っているうちに、そもそもの発端だった“ブラッド&ジェン”に話が戻ってきたではないか!? せっかくなので、平成17年の幕開けを記念すべく、今年注目の俳優/女優及びTVドラマ&映画を17コ挙げてみた。本当は2005年ということで2005コ挙げようと思ったんですが、途中で力尽きました。無念。ということで、本年もヨロシク!!