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海外ドラマ・スター True Story~海ドラ・セレブの人生はドラマティック!~詳細

Vol.28 『ER』の運命を変えた(?)ゲストスターたち

2006年12月18日
TVドラマ史上初の豪華ゲストスターはエリザベス・テーラー
アメリカのテレビドラマを見てると、時々大スターがゲスト出演することがあります。しかし、その昔、ハリウッドの映画スターたちはテレビドラマは「映画で売れない人たちが出るもの」と一線を引いていたそうです。

その流れを変える最初のきっかけを作ったのはエリザベス・テーラー。銀幕の大スターである彼女が人気昼メロドラマに友情ゲスト出演したことから、少しずつテレビにゲストとして出演する映画スターたちが増えるようになったのです。そして、90年代に入るとテレビドラマのクオリティーが高く評価されるようになり、映画や舞台だけで活動すると名言していた実力派俳優らがテレビに出演するようになりました。

『24』で主役を演じているキーファー・サザーランドも、『ER』や『ザ・ホワイトハウス』を見てドラマの脚本が映画に引けをとらないものだとドラマ出演を検討し出したとのことですし、『The OC』でサンディを演じるているピーター・ギャラガーも「テレビのレギュラー出演なんて考えもしてなっかったけれど、脚本があまりにも素晴らしかったので出ることにした」と言っています。

シビアなアメリカテレビ界
アメリカで新しいドラマが放送開始される時期は、シーズン開始時期でもある9月、そしてシーズンの終わりは5月となっています(もちろん例外もありますが、大体がこのパターンを採用しています)。日本のドラマとは異なり、アメリカのドラマは放送期間が決まっていません。いつドラマが終了するのかを決めるのは予算と視聴率です。

予算は出演者のギャラを指す場合が多く、ドラマの人気が出れば出るほど出演者のギャラは上がり続け最終的に支払い困難な状況になり番組終了となる、いわゆる『フレンズ』のようなパターン。

そして、コマーシャル料金を設定するのを目的行われる年に3回の大手市場調査会社による視聴者率ランキングの結果、視聴率が悪いドラマは番組終了になるパターン、とこの2つのパターンでドラマ終了時期が決まるケースがほとんどです。得に視聴率が悪いと何の前触れもなく即打ち切られる場合も多く、アメリカテレビ界における競争の激しさをうかがい知ることができます。

時々、『トゥルー・コーリング』のようにとても不思議で不自然な終わり方をするドラマがありますが、こういう事情があるからなのです。

スイープスが鍵
前出の「年に3回、大手市場調査会社により行われる視聴者率ランキング」はスイープスと呼ばれ、この時期は少しでも視聴率を上げようとプロダクションは豪華ゲストを出演させます。

『ER』でも、スイープス時期には大スターをゲスト出演させたり、この上なくドラマチックな展開にさせたりして、視聴率アップを図っています。

『L.A. LAW/7人の弁護士』のアラン・ローゼンバーグにヴェロニカ・カートライト、『メルローズ・プレイス』のペニー・フラー、アカデミー賞にノミネートされた経験を持つジェームズ・クロムウェルやメアリー・マクドネル。後のスターもゲスト出演しています。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でブレイクしたユアン・マクレガーがそうですよね。

『ER』最強のゲストスターは?
ここには書ききれないほどのスターがゲスト出演している『ER』ですが、中でもドラマに強いインパクトを残しエミー賞にもノミネート・受賞された役者といえば、アラン・アルダとサリー・フィールドでしょう。

アラン・アルダはテレビドラマ『M*A*S*H』(1972-1983)で大ブレイクした俳優で、2年前に映画『アビエイター』でアカデミー賞にノミネートされている味のある実力派俳優です。彼の演じたドクター・ローレンスは医師として人間としての生き方、アルツハイマーに侵された人間の恐怖とそれに向き合う姿勢など、多方面で大きな影響を与えました。

サリー・フィールドは映画『ノーマ・レイ』(1979)と『プレイス・イン・ザ・ハート』(1984)でアカデミー賞主演女優を受賞した名女優。アビーの母親マギー役を体当たりで演じて絶賛されました。この役でエミー・ゲスト女優賞を受賞しています。

次回からはこの二人についてご紹介いたします。

<次回は、『ER』で人間味溢れるドクター・ローレンス役を演じたゲストスター、アラン・アルダです!お楽しみに!>