注目トピックス
Vol.55 「ダイナスティ」ありえない展開で高視聴率もキャストは不満で降板?
2009年3月26日
「ビバリーヒルズ 高校/青春白書」に続き「メルローズ・プレイス」のスピンオフも放送されることが決定するなど、今、90年代の名作が再び注目を集めています。2作ともアメリカTV界のドンと称されたアーロン・スペリングが製作総指揮を務めたドラマです。
3年前に他界したアーロンがプロデューサーとして手掛けたTVドラマ/コメディ・シリーズの本数は、生涯なんと218!「チャーリーズ・エンジェル」、ミシェル・ファイファーのTVデビュー作「ファンタジー・アイランド」「探偵ハート&ハート」なども彼の代表作です。晩年にはTV魔女ブームの火付け番組となった「チャームド 魔女3姉妹」も手がけました。
このようなアーロンの実績と知名度がなければ、シーズン1で終了する運命だった「ダイナスティ」。
今回も語り継がれる巨匠アーロン・スペリングの名作「ダイナスティ」を、ご紹介いたします!
リアリティを求めはじめたキャストたち
ジョーン・コリンズ演じるアレクシスが口喧嘩をし、リンダ・エバンス演じるクリルタルが拳で喧嘩をする。そんなキャット・ファイティング・シーンが大うけし、「ダイナスティ」の視聴率はシーズン2半ばからグングンと伸び、トップ20入りを果たしました。特にアレクシスのビッチぶりが、視聴率向上に大きく貢献したともいわれています。
しかし、高視聴率になればなるほど、不満を高める一部キャストたちが出てきました。ファロン・キャリントンを演じたパメラ・スー・マーティンは「ドラマではなく、ただのグラマー番組になってしまった」「他にも放送されていた、ただの典型的な80年代の番組になってしまった」と当時をふりかえっていますが、リアリティが欠片もなくなってしまった、とプロデューサーに訴えるキャストは少なくなかったのです。
ブレイク・キャリントン役のジョン・フォーサイスは「ドラマティックでなければダメ、という雰囲気になっており、ヤラシイことも山ほどドラマの中で演じさせられる」ことに不満を募らせ、妻役を演じたリンダと共に「もっとリアリティを感じられるドラマにしてくれ」と強く求めたそうです。
ありえない展開に視聴者は釘付け
そんな中、リアリティ感を求め、はねつけられ、降板させられたのがゲイ・キャラクター、スティーヴンを演じていたアル・コーレイでした。もっとリアルにボディ・コンタクトもするようなゲイ役を演じたいと求めていたアルは、「不満があるなら」と、あっさりとプロデューサーに解雇されてしまったのです。
そして、1982年秋、アル・コーレイの代わりに昼メロドラマで活躍していた24歳の俳優ジャック・コールマンが、スティーヴン役として登場。
アルはジャックと似ても似つかない外見でしたが、それは「海外出張中、石油基地で大爆発事故があり、顔に大火傷を負った」「火傷が酷いため、何度も整形手術を受けた」という設定にしたのです。ジャック自身が「最初の登場シーンで、包帯を取った瞬間、傷一つない自分の顔がテレビスクリーンに現れたのは、何とも・・・・・・という感じだった」と笑いながらふりかえるほどですが、この「ありえない」展開にも視聴率は釘付けとなりました。
ちなみに、この役で見事昼メロ俳優のイメージから脱皮できたジャックは、その後「スティーヴン キングのキングダム ホスピタル」など名作TVドラマに出演。現在は世界的に大ヒットしている「HEROES/ヒーローズ」で重要なキャラクター、ノア・ベネットを演じており高い評価を得ています。
セクシー俳優も登場
シーズン3でキャスト入りした新入りはジャックを含めて3人。400人以上がオーディションを受けた、アレクシスの愛人デックス・デスター役を見事獲得した38歳のマイケル・ネイダーも、その一人でした。マイケルは、オーディション室に入りタバコに火をつけていたアレクシス役のジョーンと目があった瞬間ビビッときて「この役はいただいた」と感じたそうです。
残りの一人は37歳のゴードン・トムソン。彼は、音信不通になっていたブレイクとアレクシスの息子で、悪者でもあるアダム・フォーサイス役としてドラマ入りしました。
目まぐるしくキャストが入れ替わった「ダイナスティ」でしたが、視聴者はすでに中毒状態に陥っており、シーズン3で視聴率はトップ10入りします。そして、シーズン4には、トップ3入りを果たしたのでした。
<次回も「ダイナスティ」の撮影秘話をご紹介いたします。お楽しみに!>
3年前に他界したアーロンがプロデューサーとして手掛けたTVドラマ/コメディ・シリーズの本数は、生涯なんと218!「チャーリーズ・エンジェル」、ミシェル・ファイファーのTVデビュー作「ファンタジー・アイランド」「探偵ハート&ハート」なども彼の代表作です。晩年にはTV魔女ブームの火付け番組となった「チャームド 魔女3姉妹」も手がけました。
このようなアーロンの実績と知名度がなければ、シーズン1で終了する運命だった「ダイナスティ」。
今回も語り継がれる巨匠アーロン・スペリングの名作「ダイナスティ」を、ご紹介いたします!
リアリティを求めはじめたキャストたち
ジョーン・コリンズ演じるアレクシスが口喧嘩をし、リンダ・エバンス演じるクリルタルが拳で喧嘩をする。そんなキャット・ファイティング・シーンが大うけし、「ダイナスティ」の視聴率はシーズン2半ばからグングンと伸び、トップ20入りを果たしました。特にアレクシスのビッチぶりが、視聴率向上に大きく貢献したともいわれています。
しかし、高視聴率になればなるほど、不満を高める一部キャストたちが出てきました。ファロン・キャリントンを演じたパメラ・スー・マーティンは「ドラマではなく、ただのグラマー番組になってしまった」「他にも放送されていた、ただの典型的な80年代の番組になってしまった」と当時をふりかえっていますが、リアリティが欠片もなくなってしまった、とプロデューサーに訴えるキャストは少なくなかったのです。
ブレイク・キャリントン役のジョン・フォーサイスは「ドラマティックでなければダメ、という雰囲気になっており、ヤラシイことも山ほどドラマの中で演じさせられる」ことに不満を募らせ、妻役を演じたリンダと共に「もっとリアリティを感じられるドラマにしてくれ」と強く求めたそうです。
ありえない展開に視聴者は釘付け
そんな中、リアリティ感を求め、はねつけられ、降板させられたのがゲイ・キャラクター、スティーヴンを演じていたアル・コーレイでした。もっとリアルにボディ・コンタクトもするようなゲイ役を演じたいと求めていたアルは、「不満があるなら」と、あっさりとプロデューサーに解雇されてしまったのです。
そして、1982年秋、アル・コーレイの代わりに昼メロドラマで活躍していた24歳の俳優ジャック・コールマンが、スティーヴン役として登場。
アルはジャックと似ても似つかない外見でしたが、それは「海外出張中、石油基地で大爆発事故があり、顔に大火傷を負った」「火傷が酷いため、何度も整形手術を受けた」という設定にしたのです。ジャック自身が「最初の登場シーンで、包帯を取った瞬間、傷一つない自分の顔がテレビスクリーンに現れたのは、何とも・・・・・・という感じだった」と笑いながらふりかえるほどですが、この「ありえない」展開にも視聴率は釘付けとなりました。
ちなみに、この役で見事昼メロ俳優のイメージから脱皮できたジャックは、その後「スティーヴン キングのキングダム ホスピタル」など名作TVドラマに出演。現在は世界的に大ヒットしている「HEROES/ヒーローズ」で重要なキャラクター、ノア・ベネットを演じており高い評価を得ています。
セクシー俳優も登場
シーズン3でキャスト入りした新入りはジャックを含めて3人。400人以上がオーディションを受けた、アレクシスの愛人デックス・デスター役を見事獲得した38歳のマイケル・ネイダーも、その一人でした。マイケルは、オーディション室に入りタバコに火をつけていたアレクシス役のジョーンと目があった瞬間ビビッときて「この役はいただいた」と感じたそうです。
残りの一人は37歳のゴードン・トムソン。彼は、音信不通になっていたブレイクとアレクシスの息子で、悪者でもあるアダム・フォーサイス役としてドラマ入りしました。
目まぐるしくキャストが入れ替わった「ダイナスティ」でしたが、視聴者はすでに中毒状態に陥っており、シーズン3で視聴率はトップ10入りします。そして、シーズン4には、トップ3入りを果たしたのでした。
<次回も「ダイナスティ」の撮影秘話をご紹介いたします。お楽しみに!>
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