Vol.62 「ハイスクール・ミュージカル」ザック・エフロンは生まれながらのハリウッド・スター!?

ザック・エフロン　Pixplanete / PR Photos

アメリカではティーン以下の年齢、いわゆるトゥイーン層をターゲットにしたTVドラマや映画が多く制作されています。「子供と一緒に視聴する親」や「子供にねだられDVDや関連グッズを購入する親」がついてくるので、とてもお得だとされるからです。

トゥイーン向け番組制作の第一人者は、やはりディズニーなのですが、そのディズニーで2006年1月、70年代に大ヒットした映画「グリース」からタバコとアルコールを取り去ったような学園ミュージカルが登場。作品はたちまち大ヒットし社会現象になりました。

トゥイーンだけでなくティーンも、子供の親世代、祖父母世代をも虜にした、この「ハイスクール・ミュージカル」で大ブレイクし、一気にスターダムを駆け上がった青年がいます。これから数回に分けて、その青年、ザック・エフロンをご紹介します!

きっかけはルート66
ザックは1987年10月18日に、カルフォルニアのサンルイス・オビスポで生まれました。ビーチがあり、子供が育つにはもってこいの自然にめぐまれた街で、ザックはスクスク育っていきました。

両親はとても仲がよく、ザックと5歳年下の弟ディランの家族4人で常に行動する「理想的なアメリカン・ファミリー」だったそう。ザックとディランは、小さい頃からフットボールなどのスポーツに参加し、ごくごく普通の幼少時代を過ごしました。

ある日、車で家族旅行中のこと。延々と続くルート66を走行中に、退屈になったザックがカーステレオから流れる歌を、何気なく口ずさみ出しました。両親は、その歌声に驚き「素晴らしい才能があるのでは」とピアノ・レッスンを受けさせることにしたのです。
(写真クレジット:Glenn Harris / PR Photos)

大好きだった「ピーターパン」役
地元のピアノ教師は、ザックの天性の才能にすぐに気がついたそうで、劇団PCPA(パシフィック・コンサバトリー・オブ・ザ・パフォーミング・アーツ)でミュージカル「ジプシー」のオーディションをしているから、ぜひ受けてみるように、と薦めました。

生まれて初めてのオーディションでしたが、ザックはあっさりと採用され、11歳で舞台デビューを果たしました。そして、その後もPCPA公演の舞台に次々と出演。「ピーターパン」は主役に抜擢され、ザックは吊られながらの演技も怖がることなく、逆に大興奮していたと伝えられています。

また、この頃からポールディング・ミドル・スクールでも演劇を学ぶようになり、コーチいわく「1年もたたないうちに、自由自在に涙を流すなど感情を表現できるようになり」「歌もダンスも、監督の指示通り全てこなせるようになった」そう。

「ピーナツ」という劇では、主役のスヌーピーを犬の衣装を着て熱演。飛んだり撥ねたり、ビーグルダンスを披露したりし、絶賛されたそうです。生き生きと舞台にたつ息子に大喜びした両親に、コーチはロサンゼルスに行って、本格的に演劇の道に進むべきだと告げました。
(写真クレジット:Glenn Harris / PR Photos)

オーディションに落ちても笑顔
ザックの住む場所からロサンゼルスまでは、なんと車で6時間。しかし、両親は息子のためだと喜んでオーディションへ送り迎えすることを決意しました。しかし、そう簡単には役が取れず、毎週末、毎週末、通ってもオーディションに通らず落ちまくる日々が続きます。

さすがに疲れ、もっと楽しめることが他にあるのではないか、と考えた両親は「1年間はオーディション通いをしてもよいし、送迎もするけれど、1年の間に役がとれなかったら、きっぱりとやめるように」と提案。ザックは得に反発せず、わかった、頑張る、と応えたそうです。

それだけでなく、オーディションに落ち続けると精神的に落ち込んだり、投げやりになったりする子供が多いなか、ザックは「いいよ、別に。来週またあるしね。次はもっと上手にやるよ!僕がどれだけ役にぴったりか、証明してみせるさ」とニコニコしていたのだとか。自分を信じる力が強いのは、両親の愛をいっぱいに受けて育ったからなのでしょう。

そして、両親との約束の1年が終わろうとしていたとき、ザックはSF映画「ファイヤーフライ宇宙大作戦」に見事、キャスティングされたのでした。
(写真クレジット:Glenn Harris / PR Photos)

<次回はザックのハリウッドでの活躍をご紹介します。お楽しみに!>