Vol.72 ミスコンの常連だった!元ミス・ビバヒルのマリスカ・ハージティ PART2

前回分:Vol.71 エミー賞に7年連続ノミネート:実力派女優マリスカ・ハージティ PART1

8月29日に開催されたアメリカTV界最大の式典エミー賞授賞式。

同賞ドラマ部門主演女優賞に7年連続してノミネートされた「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」のマリスカ・ハージティは、セレブ御用達デザイナー、ヴェラ・ウォンのマーメイド・ドレスを着て登場。髪にはドレスと同じクリーム色の花をさし、フレッド・レイトンのルビー指輪をはめ、マリスカの美しさを際立たせていました。

惜しくも賞は逃したものの、マリスカは余裕の笑顔で、受賞した「クローザー」のキーラ・セジウィックに惜しみない拍手を送っていました。

今回も「アメリカTV界の女王」と称されるマリスカ・ハージティをご紹介します!

少女時代 世界中を飛び回ったマリスカ

3歳で母親を亡くしたマリスカでしたが、「やりたいことはやりなさい。実行あるのみだよ」と大らかに見守る父親と、溺愛しながらもきちんと躾けてくれたという継母のもと、スクスクと育ちました。

5歳から15歳までの間は、母親が客室乗務員だったため家族優待航空券で世界中を旅行したそうです。この頃、アジアも訪れています。

9歳のときのこと。母親が乗務していた便が酷いタービュランスに見舞われ、安全確認中だった母親が天井と床に何度も叩きつけられ重傷を負ってしまいました。長期間入院した母親を見舞ったマリスカと2人の兄は「自分たちは母親を事故にあわせる、嫌なジンクスを持つ子供なのかもしれない」と思いつめてしまったそうです。

その後、母親は回復し仕事にも復帰。子供たちの心の傷も大きな母性愛で癒してくれたとマリスカは振り返っています。

ミス・ハリウッド、ミス・ビバリーヒルズに

スポーツが大好きで活発な少女だったマリスカは、高校生になると水泳、クロス・カントリーのほかに、演劇を始めるようになりました。

ある夜のこと。マリスカは夕食の席で母親に「コンテストに応募したの」と告白。「何の?」と聞く母親に「ミス・ハリウッドよ」とマリスカはさらりと答えたそうです。そして、このミス・ハリウッドを皮切りに、次々とミスコンに出場しミス・ビバリーヒルズなどでタイトルを獲得しました。ミス・カリフォルニアでは、なんと準優勝に輝いています。

このミスコンでの経験のことを、「役者としてオーディションを受けるのに、とても役に立った。審査員が求めている女性をステージで演じることで度胸がついた」とマリスカは語っています。

警察に逮捕されて運勢アップ!?

ミスコンの熱が冷めたマリスカは役者としての仕事を求め、オーディションを受けるようになります。しかし「あの大女優ジェーン・マンスフィールドの娘だから、とオーディションには必ず呼んでもらえるし、注目もされるけれど・・・私を見ると、あぁ～ブロンドだと思ったのに、あぁ～もっとセクシーな娘かと思ったのにって言われてばかりで」と、二世だからと言って必ずしもいい思いはしなかったそうです。

でもマリスカは「これが私だから」と髪を染めることも、ファッションを変えることもしませんでした。そして、演技力で認めてもらおうとUCLAに進学し、本格的に演劇を学んだのです。

勉強の合間にオーディションを受けまわったマリスカは、どこにでも車を駐車していたため違反切符をたくさん切られていました。ある日、某ミュージシャンのミュージック・ビデオに出演したマリスカは、その衣装を着たまま警察官に「駐車違反料金を滞納しすぎている」と逮捕されてしまいます。「時間がなくて払えなかった」と弁解したものの数時間拘置所に入れられてしまったのです。

しかし、マリスカいわく「ド派手な衣装で逮捕されたことでツキがまわってきた」そうで、それからどんどん役を得るように。マイナーな作品ばかりだったものの、ホラー映画「Ghoulies」で銀幕デビューを果たし、青春映画「Welcome to 18」と立て続けに出演するようになります。

そして、TV刑事ドラマ・シリーズ「Down Town」レギュラーへのオファーをもらい、大学卒業まであと1学期というところで中退し、本格的に女優として歩み出したのでした。

<次回は、「ER　緊急救命室」を経て「Law & Order:性犯罪特捜班」でA級スター入りした女優としてのキャリアをご紹介します。お楽しみに!>