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Vol.77 アメリカで人気の「Modern Family」、出演者をご紹介!

2011年3月3日
前回分:Vol.76 アメリカで人気のコメディ「Modern Family」とは!?

2010年4月、米TVガイドは、2010年度TV番組ベスト・カップルに「Modern Family」のミッチェルとキャメロンを選出しました。お互いの意思を尊重し、意見が衝突した時にはとことん話し合い、理解し歩み寄る努力をする、理想のカップルだというのが、その理由です。

しかし、2人がシーズン1でキスするシーンはなく、不自然だという声があがりました。そして、Facebookで「もっと2人が、カップルらしいボディコンタクトをするよう求めよう」という運動が起こり、演じる役者もこれに賛同。プロデューサーも、これからそういうシーンを増やしていくと約束し、社会に同性カップルが存在するのは普通なのだという認識が、今後さらに高まるチャンスだと期待が寄せられています。

前回に引き続き、今回もアメリカで大人気のコメディ「Modern Family」をご紹介いたします。


「Modern Family」の出演者たち

■エド・オニール (ジェイ・プリチェット役)

185cmと長身で、がっちりとした体型のエドは、俳優になる前はアメリカン・フットボール選手でした。NFLピッツバーグ・スティーラーズと契約したほどの腕前でしたが、高校教師の職を選び、その後、舞台演劇に興味を持ち、役者に転身したのです。

エドが最初のブレイクをむかえたのは1987年。FOXで放送された機能不全家族のドタバタコメディ「Married... with Children」で、主人公アル・バンディを演じ、天性の喜劇役者だと大絶賛されました。アルは、愛はあるけど、どこまでもマヌケな一家の主という設定。「Modern Family」のジェイとは異なりますが、思い込みが激しい点、妻がナイスボディでイケイケな点が似ています。

97年に「Married... with Children」が終了してからも、刑事ドラマ「Dragnet」、SFサーフィンドラマ「John from Cincinnati」などで主役を演じていますが、どれも長続きはしませんでした。愛すべきマヌケなお父ちゃん、というイメージが定着してしまったのが原因だと言われました。ジェイはマヌケではないですが、アメリカン・ダディーそのものという感じ。ファミリー・コメディ「Modern Family」での役は、まさしくエドのイメージ通りなのです。Bob Charlotte / PR Photos

■ソフィア・ヴェルガラ (ジェイの妻グロリア役)

コロンビア出身のソフィアは、スペイン語チャンネルの人気番組の司会を務めるなど、アメリカのヒスパニックで知らぬ人はいないほど有名な女優です。モデルから女優へ転身しており、18歳で結婚、20歳で出産するものの、離婚。9年前に甲状腺がんを発症したり、現在交際中の恋人が交通事後で重体になるなど波乱万丈な人生を送っていますが、常に前向きで明るく、「Modern Family」のグロリア役そのままのイメージで、人気急上昇中です。Bob Charlotte / PR Photos



■ジュリー・ボーウェン (ジェイの娘クレア・ダンフィー役)

名門ブラウン大学卒業後、ニューヨークで演劇を学んだジュリーは、数々のTVドラマにチョイ役で出演した後、「ER 緊急救命室」シーズン5でカーターの交際相手ロクサーヌ・プリーズ役で注目されるようになり、「エド ボーリング弁護士」のキャロル役でブレイクしました。

2004年にソフトウェア・エンジニアと結婚し、3人の子供を出産。40歳のジュリーは、コスメティック「ニュートロジーナ」のスポークスウーマンを務めるなど、いつまでも美しく若々しい母親として人気を集めています。Bob Charlotte / PR Photos

■タイ・バーレル (クレアの夫フィル役)

43歳になるタイは、舞台出身の演技派俳優。「ザ・ホワイトハウス」「Law & Order」などの人気ドラマへのゲスト出演を経て、シットコム「Out of Practice」に整形外科医役としてレギュラー出演し注目されるようになりました。その後、ケルシー・グラマーとパトリシア・ヒートンの注目コメディ「Back to You」のレギュラーに抜擢され、同番組がワンシーズンでキャンセルされたため、「Modern Family」への出演を決意。ボケが自然だと絶賛され、辛口評論家たちからも高い評価を得ています。Sylvain Gaboury / PR Photos


■ジェシー・ タイラー・ファーガソン (ジェイの息子ミッチェル役)

8歳で役者を目指し児童劇団に入ったジェシーは、高校を卒業した後ニューヨークのAMDA校(American Musical And Dramatic Academ)に入学。オフ・ブロードウェイやブロードウェイで活躍してきました。TVや映画にはあまり出ていませんが、ワンシーズンでキャンセルとなったコメディ「The Class」にレギュラーとして出演。「アグリー・ベティ」にも2回ゲスト出演しています。

「Modern Family」で演じているミッチェル同様、ジェシーも同性愛者であり、そのことをオープンにしています。Bob Charlotte / PR Photos

■エリック・ストーンストリート (ミッチェルのパートナー、キャメロン役)

今年40歳になるエリックは地元にあるカンザス州立大学を卒業後、シカゴで即興演劇を学び、本格的な役者人生をスタートさせました。「スピン・シティ」「マルコム in the Middle」「ダーマ&グレッグ」など数多くの人気TVドラマにチョイ役として出演し、ケイト・ハドソン主演の映画「あの頃ペニー・レインと」で注目を集めるように。「CSI:科学捜査班」のマイナー役として度々登場したロニー役など、本当に数多くのドラマに出演しています。

キャリアの長いエリックですが、「Modern Family」は彼にとって初のTVレギュラー出演となります。キャメロン役は当り役となり、エミー賞も受賞しました。異性愛者でありながら同性愛者を演じることについてよく質問されますが、「ゲイがどうこうじゃなくて、キャメロンという役を演じることは、とても心地よいんだ。楽しんで演じている」と答えています。Bob Charlotte / PR Photos


「Modern Family」の魅力

この作品の魅力は、誰もが共感できるようなシーンが盛り込まれていること。そして、その出来事についてキャラクターたちがカメラに向かって弁解するように解説していくことです。日常的に起こる出来事が、妻の立場、夫の立場、親の立場や兄弟、子供の立場から語られるため、物語に深みが生まれ、また視聴者の誰もが共感できることから大ヒットしたのです。

また、疎遠気味だった親姉弟が、それぞれの配偶者の働きかけにより絆を取り戻し、これまでのわだかまりを一つずつほぐしていきながら、暖かい家族関係を結んでいくというコンセプトも、機能不全家族が多い現代のアメリカで人気を呼んだ要素の一つと言えるのではないでしょうか。

いざというときに頼りにできる家族がいる。家族は友人とは違うレベルの大事な存在。「Modern Family」は、現代のアメリカが理想とする、家族の繋がりを描いた作品なのです。

アメリカでは現在シーズン2が放送中、シーズン3の制作・放送も決定しています。

プロデューサーたちが、これからも「濃い家族関係」を描くと意気込みを見せている「Modern Family」から、ますます目が離せそうにありません!