Vol.79 「ザ・ソプラノズ」を支えたキャストの今 PART 2

前回分:Vol.78 「ザ・ソプラノズ」を支えたキャストの今 PART 1

毎年、数多くの新作ドラマのパイロットが制作されますが、フルシーズン放送されるのは一握り。その中で、何年も放送され、語り継がれる名作ドラマになれるのは、ほんのわずかです。

「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」は、このシビアなアメリカTV界で、全6シーズン通して絶賛され続けてきました。脚本家、プロデューサー、監督のずば抜けた才能はもちろんのこと、キャストたちの見事な演技力も、番組を支えてきた大きな要因だったといわれています。

実力派揃いだった「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」のキャストたちは、ドラマが終了した後もステップアップし、大活躍しています。

今回も、「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」のキャストたちの今をお伝えします。

惜しくも他界したキャスト
「ザ・ソプラノズ」のキャストの中には、惜しまれつつ亡くなった人もいます。

■ナンシー・マーチャンド　(リヴィア役)
主人公トニー・ソプラノズを精神的に支配し、大きな影響を与えた母親リヴィアを演じたナンシー・マーチャンドは、ドラマが放送されていた2000年6月に亡くなっています。死因は肺ガンと肺気腫。ナンシーは亡くなる前の年に、48年間連れ添った夫をやはりガンで亡くしており、精神的な張り合いを失って、後を追うように亡くなったのではないかといわれています。

クリエーターは、ナンシーの死を受けて「彼女の代役はいない」と、ドラマで演じたリヴィアも他界するという設定にしています。リヴィアはシーズン2の後半まで出演していましたが、その後急死する展開になったのは、演じているナンシー本人が亡くなったからだったのです。

■デニース・ボリノ-クイン　(ジニー役)
また、登場回数は少なかったもののファンが多かったニューヨーク・マフィアのボス、ジョニー・サック(演:ヴィンセント・キュラトーラ)の妻ジニー役を演じていたデニース・ボリノ-クインも、2010年10月に亡くなっています。

デニースは肝臓ガンを患っていたとのことで、長期にわたり闘病生活を送っていました。ナンシーと同じく、デニースもまた亡くなる7ヶ月前に夫を亡くし、気落ちしていたとのことです。まだ46歳の若さでした。

主役トニーを演じたジェームズ・ギャンドルフィーニの今

■ジェームズ・ギャンドルフィーニ　(トニー役)

トニーを演じたジェームズ・ギャンドルフィーニは、「ソプラノズ」終了後の翌年、2年間交際したガールフレンドで元モデルのデボラ・リンと再婚。デボラはアジア系のスラリと背の高い美女。2人は、彼女が育ったハワイで結婚式を挙げ、幸せな生活を送っています。

役者としての仕事ですが、本当に興味を持った役を引き受けているとのことで、TVではなく映画のみに出演しています。今年に入り、「ソプラノズ」のクリエーター、デヴィッド・チェイスが手がける新作映画「Twylight Zones」に出演することが発表され、2人の4年ぶりのコラボレーションとして大々的に報じられました。

「Twylight Zones」は、世界が音楽で変化するといわれていた60年代を舞台に、ニュージャージー出身のロック・バンドが奮闘する姿を描いたもの。ジェームズは、ジョン・マガロ演じる主人公の父親役にキャスティングされています。この父親はイタリア系アメリカン人で、息子がロックに感化されていくのを嫌い、ことごとく衝突する設定。
「ザ・ソプラノズ」のトニーも、子供たちに対して過剰に期待し、コントロールしたがる傾向にありましたが、「Twylight Zones」でも似たようなキャラクターになるのか、またデヴィッドが、脇役を演じるジェームズの魅力をどのように引き出すのかが見所となりそうです。

トム・ハンクスやブラピとも共演予定!
ジェームズは、ほかにもトム・ハンクス、サンドラ・ブロックが出演する911同時多発テロで父親を失った少年が主人公の映画「Extremely Loud and Incredibly Close」と、ジョージ・V・ヒギンスの犯罪小説を映画化したブラッド・ピット主演の「Cogan’s Trade」にも出演する予定。

「Extremely Loud and Incredibly Close」では愛する人を失った悲しみを抱える中年男性、「Cogan’s Trade」では金のためなら何でもするアル中のヒットマンと、全く対照的なキャラクターを演じるそうです。


映画界で、テレビ界で大活躍中の「ザ・ソプラノズ」のキャストたち。TV界に旋風を巻き起こした「ザ・ソプラノズ」のキャストたちから、今後も目が離せそうにありません!