Vol.85 「アメリカン・アイドル」が生んだ大スター　アダム・ランバート　PART 6　～アダムはアダム!～

先日、デザイナー発掘リアリティー番組「プロジェクト・ランウェイ / NYデザイナーズバトル」にゲスト審査員として出演したアダム・ランバート。なぜアダムが招かれたのか不思議に感じる人もいるかもしれませんが、この日に放送されたエピソードのテーマを知ると、きっと納得されると思います(ネタバレになりそうなので、ここでは書かないことにしますね)。

「プロジェクト・ランウェイ」でのアダムは、レギュラー審査員である名デザイナー、マイケル・コースの発言に声をあげて大笑いするなど、雰囲気を楽しんでいるように見られました。ジャッジとして的確なコメントもしており、抜群の存在感も放っていました。「さすが、アダム」です。

今回も、抜群のセンスを誇る「アメリカン・アイドル」が生んだ大スター、アダム・ランバートについてお伝えします。


■ゲイであっても関係ナシ!

「アメリカン・アイドル」シーズン8終了後にゲイであることをカミングアウトしたアダム。しかし、その後、行われた「アメアイ」ライブ・ツアーでは、彼がパフォーマンスするたびに、女性ファンが黄色い声をあげたとのこと。ステージにはブラジャーやパンティまでもが投げ込まれたそうです。

彼を歌手として応援し、最高のパフォーマーだと認めているファンにとっては、アダムがゲイであるかどうかなど、関係ないことだったのです。多くの女性ファンは、ゲイだと知っていても「アダムは王子さま」だと断言しています。

ちなみに、ステージには大人のおもちゃが投げ込まれることも少なくなかったとか。ジェンダーを問わず、みなからセクシーだと思われるアダムは「アメアイ」ライブツアーの、まさに主役だったそうです。


■納得いかないファーストアルバム騒動

この頃、突然、本人の承諾なく「アダム・ランバートのファーストアルバム」が発売されるという騒ぎがありました。このアルバムに入っている曲は、全てアダムが無名時代にレコーディングしたもの。「ヒット曲のカバーソングを歌うバイトがあるけど、どう?」と誘われ、経験のためにマドンナなどの曲を歌ったという、全曲カバーソングというアルバムでした。

アダムは、このアルバムについて、「その歌手を真似して歌ってくれと頼まれたから、ボクの歌声とは程遠いんだよ。これをファーストアルバムというのはあんまりだ」と憤慨。非公式のアルバムと言われるようになりましたが、時の人だったアダムの無名時代の歌声を聞こうとアルバムは飛ぶように売れたそうです。

名声を利用されたことにショックを受け、少し落ち込んだというアダムですが、すぐに前向きに進みだします。RCAレコードと契約し、公式となるファーストアルバムを制作することが決定したからです。


■何があっても「アダムはアダム」

ファーストアルバムは、ピンクやレディー・ガガ、名プロデューサーのドクター・ルークらも制作に参加し、3ヶ月かけてアダムが大満足する自信作が仕上がりました。そして発売の前日に、アダムはテレビで生中継される「アメリカン・ミュージック・アワード」にパフォーマーとして出演。デビュー・パフォーマンスを行いました。

この晴れの舞台で、アダムは自分のセクシュアリティを表現しようと決意。男性ダンサーの頭を自分の股間に近づけたり、男性ベーシストとディープキスをするなどセクシーなパフォーマンスをしました。観客がから大きな拍手をもらい大満足の出来だと喜んだアダムでしたが、「破廉恥だ」と論議が巻き起ってしまいました。

アダムは、「アーティストだから、楽しんだだけだよ」「なんで男女が際どく絡んだり、女性同士がキスするのはOKで、男同士だと、こんなに嫌がられるんだろう」と肩をすくめていましたが、その後、しばらくTVへの露出は控えるようになりました。

弾みとなるはずだった「アメリカン・ミュージック・アワード」で問題児扱いされてしまったアダムですが、デビュートアルバムは世界中で大ヒット! 2010年春にスタートさせたソロ・ツアーも大成功を収めました。そして、ビルボードのナンバーワンを獲得。“セックス・シンボル”と呼ばれるようになり、次第に「アダムはアダムなのだ」と世間からも認められるようになっていきました。

今も精力的に活動を続けているアダム。噂になっている彼との交際も順調らしく、「将来は結婚して、子供も欲しいんだ」とも公言しています。幸せになると良いですね。

「人と違っててもいいんだ。自分らしいのが一番だよ」というメッセージを発信し続け、私たちを勇気づけてくれるアダム。今後も彼の活躍から目が離せそうにありません!