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海外ドラマはアメリカだけじゃない! ヨーロッパ&カナダのオススメドラマを徹底解剖! (その1) イギリス編
2013年5月23日
(c) 2012 DRIVER FOR HIRE (QVF) INC./ATLANTIQUE PRODUCTIONS S.A.
リュック・ベッソン監督が初めて製作を手がけたテレビドラマ「トランスポーター ザ・シリーズ」(’12~)と「ノー・リミット」(’12~)が、ここ日本でもほぼ同時期に放送スタートします。
スピルバーグやスコセッシ、リドリー・スコットなど、ハリウッドでは大物映画監督が積極的にテレビドラマを作るようになって久しい昨今。ヨーロッパを代表する世界的ヒットメーカーも、遂にテレビ市場へ参入するようになったというわけです。
そういえば、最近はイギリスやカナダ、フランス、北欧、南米などのドラマも日本で放送される機会が増えてきましたよね。そこで、今回はそうしたアメリカ以外の海外ドラマの魅力、オススメ作品などをご紹介しようかと思います。
ただ、いかんせんスペースに限りがあるため、ヨーロッパ及びカナダの作品に絞らせていただくことを予めご了承ください。
最近のイギリスはSFドラマと歴史・文芸ドラマが面白い!
まずはイギリスから。古いところだと「おしゃれ(秘)探偵」(’61~’69)や「セイント・天国野郎」(’62~’69)などを世界的に大ヒットさせてきたイギリスは、ヨーロッパにおける最大のドラマ輸出国と言えるかもしれません。そんなUKドラマ界の主要ジャンルはというと、コメディにSF、犯罪推理、そして歴史・文芸の4本柱となります。今回はその中から、SFドラマと歴史・文芸ドラマのオススメをご紹介しましょう。
さて、「空飛ぶ円盤UFO」(’70~’71)や「スペース1999」(’75~’77)など数多くの名作SFドラマで知られる英テレビ界ですが、その決定版と呼べるのはやはり「ドクター・フー」(’63~)ですね。なんと本国では50年近くにわたって放送されており、世界最長のSFドラマシリーズとも呼ばれています。
変わり者の異星人ドクター・フーが地球人の仲間を連れ、電話ボックス型の宇宙船で銀河系を旅するというのが基本プロット。英国風のシニカルでシュールなユーモアや、時として残酷なくらいダークなストーリー展開に面食らう人もいるかもしれません。と同時に、その根底に流れる痛烈な文明批判や異星人の目を通した人間論などは実に奥深い。近年はアメリカなど世界各国でも高い支持を得るようになったことから、作品のスケールもシーズンを追うごとに大きくなり、見ごたえも増してきました。
「ドクター・フー」11代目ドクターのマット・スミス
Landmark / PR Photos
バイセクシャルのヒーローを主人公にした大人向けの「秘密情報部トーチウッド」(’06~)や、かつてドクターの仲間だった地球人女性サラ・ジェーンが少年少女と共に時空を旅する子供向けの「The Sarah Jane Adventures」(’07~’11)といったスピンオフ番組もクオリティが高くて必見。後者は主演のベテラン女優エリザベス・スレイデンがガンで亡くなってしまったため、番組終了を余儀なくされてしまったのが残念です。
さらに、吸血鬼と狼男、幽霊というモンスターを主人公にしながら、現代イギリス社会における差別や格差などの問題を掘り下げた「ビーイング・ヒューマン」(’08~’13)もオススメ。これはアメリカでもリメイクされました。
そして、近年日本でも女性を中心に人気を高めているのが英国の歴史・文芸ドラマ。中でも「高慢と偏見」(’95)や「マンスフィールド・パーク」(’07)、「エマ~恋するキューピッド~」(’09)などジェーン・オースティン原作ものは鉄板になっているようです。
そうした中、現在世界中で静かなブームを呼んでいるのが「ダウントン・アビー」(’10~)。風光明媚な片田舎の貴族豪邸を舞台に、そこで暮らす上流階級の人々と階下で働く労働者階級の使用人たち、それぞれの人間模様を生き生きと描きつつ、古い封建制度の価値観が音を立てて崩れ始めた第一次世界大戦前後の英国社会を浮き彫りにしていきます。
「ダウントン・アビー」マギー・スミス
Solarpix / PR Photos
このイギリス独特の階級社会をテーマにしたドラマというのは昔から人気があり、かつては「Upstairs Downstairs」(’71~’75)という番組がアメリカのエミー賞やゴールデングローブ賞を総なめにして話題を呼びました。自由の国アメリカでも歴然とした階級意識が開拓時代から存在しますから、なにかと共感できる部分が多いのかもしれません。事実、この「ダウントン・アビー」もまたエミー賞とゴールデングローブ賞で幾つもの賞に輝いていますし。
そういえば、映画「アイアンマン3」(’13)ではトニー・スタークの秘書ハッピーの一番好きなドラマがこの「ダウントン・アビー」ということで、病室のテレビ画面でも本作のワン・シーンが映し出されていました。いわゆる昼メロドラマ的な愛憎劇を絡めつつ、人間や社会の在り方について普遍的な洞察を加えた脚本が見事で、一度見始めたら病みつきになること間違いなしです。
総じてイギリスのドラマは大人向け。目を引くような派手さこそないものの、見終わったあとズッシリ心に響くような作品が多いと思います。ほかにもオススメドラマは数えきれませんが、また別の機会にご紹介できれば。
=> フランスとカナダはこれから要注目! (その2に続く)
スピルバーグやスコセッシ、リドリー・スコットなど、ハリウッドでは大物映画監督が積極的にテレビドラマを作るようになって久しい昨今。ヨーロッパを代表する世界的ヒットメーカーも、遂にテレビ市場へ参入するようになったというわけです。
そういえば、最近はイギリスやカナダ、フランス、北欧、南米などのドラマも日本で放送される機会が増えてきましたよね。そこで、今回はそうしたアメリカ以外の海外ドラマの魅力、オススメ作品などをご紹介しようかと思います。
ただ、いかんせんスペースに限りがあるため、ヨーロッパ及びカナダの作品に絞らせていただくことを予めご了承ください。
最近のイギリスはSFドラマと歴史・文芸ドラマが面白い!
まずはイギリスから。古いところだと「おしゃれ(秘)探偵」(’61~’69)や「セイント・天国野郎」(’62~’69)などを世界的に大ヒットさせてきたイギリスは、ヨーロッパにおける最大のドラマ輸出国と言えるかもしれません。そんなUKドラマ界の主要ジャンルはというと、コメディにSF、犯罪推理、そして歴史・文芸の4本柱となります。今回はその中から、SFドラマと歴史・文芸ドラマのオススメをご紹介しましょう。
さて、「空飛ぶ円盤UFO」(’70~’71)や「スペース1999」(’75~’77)など数多くの名作SFドラマで知られる英テレビ界ですが、その決定版と呼べるのはやはり「ドクター・フー」(’63~)ですね。なんと本国では50年近くにわたって放送されており、世界最長のSFドラマシリーズとも呼ばれています。
変わり者の異星人ドクター・フーが地球人の仲間を連れ、電話ボックス型の宇宙船で銀河系を旅するというのが基本プロット。英国風のシニカルでシュールなユーモアや、時として残酷なくらいダークなストーリー展開に面食らう人もいるかもしれません。と同時に、その根底に流れる痛烈な文明批判や異星人の目を通した人間論などは実に奥深い。近年はアメリカなど世界各国でも高い支持を得るようになったことから、作品のスケールもシーズンを追うごとに大きくなり、見ごたえも増してきました。
「ドクター・フー」11代目ドクターのマット・スミス
Landmark / PR Photos
バイセクシャルのヒーローを主人公にした大人向けの「秘密情報部トーチウッド」(’06~)や、かつてドクターの仲間だった地球人女性サラ・ジェーンが少年少女と共に時空を旅する子供向けの「The Sarah Jane Adventures」(’07~’11)といったスピンオフ番組もクオリティが高くて必見。後者は主演のベテラン女優エリザベス・スレイデンがガンで亡くなってしまったため、番組終了を余儀なくされてしまったのが残念です。
さらに、吸血鬼と狼男、幽霊というモンスターを主人公にしながら、現代イギリス社会における差別や格差などの問題を掘り下げた「ビーイング・ヒューマン」(’08~’13)もオススメ。これはアメリカでもリメイクされました。
そして、近年日本でも女性を中心に人気を高めているのが英国の歴史・文芸ドラマ。中でも「高慢と偏見」(’95)や「マンスフィールド・パーク」(’07)、「エマ~恋するキューピッド~」(’09)などジェーン・オースティン原作ものは鉄板になっているようです。
そうした中、現在世界中で静かなブームを呼んでいるのが「ダウントン・アビー」(’10~)。風光明媚な片田舎の貴族豪邸を舞台に、そこで暮らす上流階級の人々と階下で働く労働者階級の使用人たち、それぞれの人間模様を生き生きと描きつつ、古い封建制度の価値観が音を立てて崩れ始めた第一次世界大戦前後の英国社会を浮き彫りにしていきます。
「ダウントン・アビー」マギー・スミス
Solarpix / PR Photos
このイギリス独特の階級社会をテーマにしたドラマというのは昔から人気があり、かつては「Upstairs Downstairs」(’71~’75)という番組がアメリカのエミー賞やゴールデングローブ賞を総なめにして話題を呼びました。自由の国アメリカでも歴然とした階級意識が開拓時代から存在しますから、なにかと共感できる部分が多いのかもしれません。事実、この「ダウントン・アビー」もまたエミー賞とゴールデングローブ賞で幾つもの賞に輝いていますし。
そういえば、映画「アイアンマン3」(’13)ではトニー・スタークの秘書ハッピーの一番好きなドラマがこの「ダウントン・アビー」ということで、病室のテレビ画面でも本作のワン・シーンが映し出されていました。いわゆる昼メロドラマ的な愛憎劇を絡めつつ、人間や社会の在り方について普遍的な洞察を加えた脚本が見事で、一度見始めたら病みつきになること間違いなしです。
総じてイギリスのドラマは大人向け。目を引くような派手さこそないものの、見終わったあとズッシリ心に響くような作品が多いと思います。ほかにもオススメドラマは数えきれませんが、また別の機会にご紹介できれば。
=> フランスとカナダはこれから要注目! (その2に続く)
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