注目トピックス
怖すぎる5分間!新進気鋭のクリエイターが描くAからZの死!ベストエピソード発表
2016年2月12日
総勢26名のクリエイターが、それぞれに振り分けられたアルファベットから、5分間の「死の物語」を紡ぐホラー・オムニバスシリーズ第2弾『ABC・オブ・デス2』。劇場公開された前作とは違い、ソフトリリースとしての発表となったが、そのクオリティは文句なしの超A級だ。
集まった監督は、映画『CUEB』のヴィンチェンゾ・ナタリ、映画『屋敷女』のジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロなど、日本でも知られた面子もいるが、今回は様々な国と地域にいるネクストブレイク勢をはじめとした、埋もれた才能の見本市という色合いが強い。ゆえにホラー映画好きおよび映画好きは必見の、青田買い的競作となっている。
表現やジャンルも前作同様に実写・アニメ・クレイアニメ、ホラー・サスペンス・ブラックコメディとバラエティ豊富。その中でクリエイターたちが独自のセンスと工夫を凝らして、様々なシチュエーションの死を描く。1エピソード5分と短いが、その時間をフルに使い、いかに早い段階で世界観を構築し、観客を引き込む物語を語るか。演出家としての手腕が試されるし、競作という性質上、甲乙がつけられやすい。ある意味、監督たちにとっての才能をかけたガチンコバトルの場でもあるのだ。
特に今作は第2弾ということもあり、参加監督たちの「前作以上のものを!」という意気込みが感じられ、語られるエピソードは粒ぞろい。エピソードの最後に提示されるそれぞれのタイトル名は、ストレートなものからひねりをきかせたものまであり、エピソードと頭文字となるアルファベットを頼りに、タイトルを推理するのも楽しみ方の一つだ。ここでは26エピソードある中から、独断と偏見でチョイスした傑作エピソード・ベスト3を発表したい。
第3位は「VACATION バカンス」。悪友と訪れたバカンス先のホテルで、恋人とテレビ電話中の男。すると悪友が電話を奪い、室内を映し出す。そこには散乱したヤバい薬と、現地売春婦の姿が。しかもその売春婦は母娘という。焦った男は恋人に言い訳をしつつ、まとわりついてくる娘の売春婦を殴り飛ばしてしまう。それに怒り狂った売春婦・母は凶器を手に……。POV演出ならではの特性を活かした画作りが巧く、主人公の背中越しに見える、鬼の形相で悪友に襲い掛かる売春婦・母の姿がかなり怖い。監督は、ホラー映画へのオマージュをちりばめたホラー・コメディ・ミュージカルのカナダ映画『絶叫のオペラ座へようこそ』を手掛けたジェローム・サブル。新作長編が待たれる、若き才人だ。
第2位は「CAPITAL PUNISHMENT 死刑」。イギリスの片田舎。少女殺しの嫌疑をかけられた男が、村人たちによって拘束されている。村人たちの怒りは暴発寸前で、警察に引き渡すよりも先に、彼らのやり方で処罰を下そうと意気込む。森の奥深くに連行する一方で、テレビでは少女が無事に保護されたことを知らせるニュースが流れる。そうとは知らぬ村人は、斧を振り上げて……。極限状態を表す巧みな演出とスピーディーな編集に加え、奥行きのあるストーリー設定は、短編である事を忘れさせる迫力と緊迫感を持つ。死の瞬間を直接的かつエグくビジュアル化して見せる点も「この監督、わかっているな」感あり。ジュリアン・ギルビー監督は、日本では『プラスティック』(2014)以外ソフトリリースという扱いだが、この後にどう化けるか期待大だ。
そして26人のクリエイターの中でトップとなったのが、映画『へんげ』(2011)で一躍その名を知らしめた大畑創監督による、「OCHLOCRASY(MOB RULE) 愚民政治」だ。舞台は、ゾンビの特効薬が出来た後の世界。ゾンビがはびこっていた時代に、人間として生き残るためにゾンビを殺してきた母親が、ゾンビ裁判所で裁かれることになる。特効薬が発明されてからゾンビのほとんどは半人間半ゾンビ状態となり、純度100%の人間は少数派となった。裁判所も半ゾンビが動かしており、ゆえに人間に対して死刑判決がバンバン出る。果たして母親の運命は?
昨今のゾンビブームもあり、ホラージャンルではトップを走るようになったゾンビ。だがそのほとんどの語り口は異口同音の飽和状態にある。しかし大畑監督は、すでに手垢のついてしまったジャンルに対して、着眼点と発想の斬新さをもって、ゾンビ映画の新たなる方向性を打ち出した。ストーリー自体も、起承転結しっかりと語り、見ごたえのある短編映画を完成させた。その点が他の作品の中でも、最も抜きんででいたように思う。半ゾンビの裁判官や弁護士などのぶっ飛んだキャラと、それに見合ったぶっ飛んだヴィジュアルもグッド。
観る人によってベストもワーストも変わるのが、オムニバス作品の面白いところ。26エピソードの中であなたのお気に入りは?映画『ABC・オブ・デス2』のDVD&Blu-rayは、キングレコードより発売中。
(石井隼人)
集まった監督は、映画『CUEB』のヴィンチェンゾ・ナタリ、映画『屋敷女』のジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロなど、日本でも知られた面子もいるが、今回は様々な国と地域にいるネクストブレイク勢をはじめとした、埋もれた才能の見本市という色合いが強い。ゆえにホラー映画好きおよび映画好きは必見の、青田買い的競作となっている。
表現やジャンルも前作同様に実写・アニメ・クレイアニメ、ホラー・サスペンス・ブラックコメディとバラエティ豊富。その中でクリエイターたちが独自のセンスと工夫を凝らして、様々なシチュエーションの死を描く。1エピソード5分と短いが、その時間をフルに使い、いかに早い段階で世界観を構築し、観客を引き込む物語を語るか。演出家としての手腕が試されるし、競作という性質上、甲乙がつけられやすい。ある意味、監督たちにとっての才能をかけたガチンコバトルの場でもあるのだ。
特に今作は第2弾ということもあり、参加監督たちの「前作以上のものを!」という意気込みが感じられ、語られるエピソードは粒ぞろい。エピソードの最後に提示されるそれぞれのタイトル名は、ストレートなものからひねりをきかせたものまであり、エピソードと頭文字となるアルファベットを頼りに、タイトルを推理するのも楽しみ方の一つだ。ここでは26エピソードある中から、独断と偏見でチョイスした傑作エピソード・ベスト3を発表したい。
第3位は「VACATION バカンス」。悪友と訪れたバカンス先のホテルで、恋人とテレビ電話中の男。すると悪友が電話を奪い、室内を映し出す。そこには散乱したヤバい薬と、現地売春婦の姿が。しかもその売春婦は母娘という。焦った男は恋人に言い訳をしつつ、まとわりついてくる娘の売春婦を殴り飛ばしてしまう。それに怒り狂った売春婦・母は凶器を手に……。POV演出ならではの特性を活かした画作りが巧く、主人公の背中越しに見える、鬼の形相で悪友に襲い掛かる売春婦・母の姿がかなり怖い。監督は、ホラー映画へのオマージュをちりばめたホラー・コメディ・ミュージカルのカナダ映画『絶叫のオペラ座へようこそ』を手掛けたジェローム・サブル。新作長編が待たれる、若き才人だ。
第2位は「CAPITAL PUNISHMENT 死刑」。イギリスの片田舎。少女殺しの嫌疑をかけられた男が、村人たちによって拘束されている。村人たちの怒りは暴発寸前で、警察に引き渡すよりも先に、彼らのやり方で処罰を下そうと意気込む。森の奥深くに連行する一方で、テレビでは少女が無事に保護されたことを知らせるニュースが流れる。そうとは知らぬ村人は、斧を振り上げて……。極限状態を表す巧みな演出とスピーディーな編集に加え、奥行きのあるストーリー設定は、短編である事を忘れさせる迫力と緊迫感を持つ。死の瞬間を直接的かつエグくビジュアル化して見せる点も「この監督、わかっているな」感あり。ジュリアン・ギルビー監督は、日本では『プラスティック』(2014)以外ソフトリリースという扱いだが、この後にどう化けるか期待大だ。
そして26人のクリエイターの中でトップとなったのが、映画『へんげ』(2011)で一躍その名を知らしめた大畑創監督による、「OCHLOCRASY(MOB RULE) 愚民政治」だ。舞台は、ゾンビの特効薬が出来た後の世界。ゾンビがはびこっていた時代に、人間として生き残るためにゾンビを殺してきた母親が、ゾンビ裁判所で裁かれることになる。特効薬が発明されてからゾンビのほとんどは半人間半ゾンビ状態となり、純度100%の人間は少数派となった。裁判所も半ゾンビが動かしており、ゆえに人間に対して死刑判決がバンバン出る。果たして母親の運命は?
昨今のゾンビブームもあり、ホラージャンルではトップを走るようになったゾンビ。だがそのほとんどの語り口は異口同音の飽和状態にある。しかし大畑監督は、すでに手垢のついてしまったジャンルに対して、着眼点と発想の斬新さをもって、ゾンビ映画の新たなる方向性を打ち出した。ストーリー自体も、起承転結しっかりと語り、見ごたえのある短編映画を完成させた。その点が他の作品の中でも、最も抜きんででいたように思う。半ゾンビの裁判官や弁護士などのぶっ飛んだキャラと、それに見合ったぶっ飛んだヴィジュアルもグッド。
観る人によってベストもワーストも変わるのが、オムニバス作品の面白いところ。26エピソードの中であなたのお気に入りは?映画『ABC・オブ・デス2』のDVD&Blu-rayは、キングレコードより発売中。
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