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映画「ゼロ・ダーク・サーティ」 911被害者の音声無断使用で非難される

2013年3月1日
キャサリン・ビグロー監督の最新作「ゼロ・ダーク・サーティ」、本年度アカデミー賞作品賞にノミネートされ話題を読んだが、今アメリカである批判を受けている。

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件の首謀者とされる国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディンの暗殺計画を元に作られたこの映画。作品の冒頭で、同時多発テロが起こった時に実際にやりとりされた会話が流される。この冒頭部分について、愛する家族との最後の通話を無断で使用されたと主張する者が現れた。

米E!Onlineによると、今回非難の声を上げたのは、同時多発テロで息子を亡くしたフランク・フェチェット。

「愛するものを失うのは本当に辛いこと。遺族は今も苦しみのうちに生活している。息子からの最後のメッセージは大事な思い出であり、貴重なメッセージなんだ。しかもそれは僕たちだけのものであって、世間が知るようなことではないはず」

こうコメントするフランクは、世界貿易センタービルの89階から受け取った息子の最後のボイスメールが無断で使用されたとに憤慨している。

フランクの妻も「この世に神聖さはなくなってしまった」と付け加え、オスカーノミネート作品から私的なボイスメールが聞こえたときのショックと悲しみを表した。

スタジオ側は、映画の冒頭で同時多発テロ被害者のボイスメールを使用することに関して、できるだけ多くの被害者らとコンタクトを取り、理解を求めたと説明し、映画「ゼロ・ダーク・サーティ」は被害者へのトリビュートであるとコメントしている。

しかし、フランクは以下のとおり反論した。

「事前にコンタクトを取っただって? よく言うよ。映画が既に出来上がってから試写に招かれただけなのに」

政治的問題も多く残る中、作品として素晴らしい評価を得た作品だけに、今回の一件はさらなる議論を呼びそうだ。
 
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