第67回エミー賞授賞式レポート：米ＴＶ業界最大の祭典は笑いと感動が満載！「ゲーム・オブ・スローンズ」圧巻の12部門受賞！ 「マッドメン」ジョン・ハムが有終の美

アメリカTV界最大の祭典、第67回エミー賞授賞式(The 67th Primetime Emmy Awards)が、現地時間9月21日に、米ロサンゼルスのマイクロソフト・シアターにて開催。米HBOの大人気ファンタジードラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」が、12部門を受賞し、エミー史上最多の受賞記録を作った。

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今回ホストを務めたのは、「サタデー・ナイト・ライブ」出身で、現在は米FOXの人気コメディドラマ「Brooklyn Nine-Nine(原題)」(2013-)に出演中のコメディアン アンディ・サムバーグ。毎年注目されるオープニングでは、往年のミュージカルナンバーの替え歌を披露。海外ドラマの本数が多すぎる米TV業界の現状を面白おかしく歌い上げ、会場の笑いを誘った。

今回最多受賞となったのは、米HBOで放送中のファンタジードラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」。24部門ノミネート中、作品賞、助演男優賞、監督賞を含む12部門を受賞した。これは、「ザ・ホワイトハウス」が持つ9部門受賞という、その年のエミー賞授賞式の最多受賞記録を15年ぶりに塗り替える歴史的偉業を成し遂げた。

本授賞式で最も盛り上がった場面の一つが、「MAD MEN マッド・メン」ジョン・ハムのドラマシリーズ部門主演男優賞の受賞だ。ハムは昨年までに同部門に7度ノミネートされ、いずれも受賞を逃してきた。しかし、今年5月にフィナーレを迎えた同作で、今回8度目のノミネートを果たし、悲願の初受賞を果たした。受賞スピーチでは、「今、この場に立っていられることを、とても素晴らしく思うとともに、信じられないことのように思う」と喜びと驚きを示しながらも、「すばらしいキャスト、脚本家、クルーなしでは成しえなかった」と、作品に携わった者に感謝の意を述べた。

また、ドラマシリーズ部門主演女優賞は、「殺人を無罪にする方法」のヴィオラ・デイヴィスが、初ノミネートにして初受賞。同部門をアフリカン・アメリカンが受賞するのは史上初ということもあり、ヴィオラは感極まった様子で受賞スピーチに臨んだ。スピーチでは、同じ黒人女性として同賞にノミネートを果たした「Empire 成功の代償」のタラジ・P・ヘンソンや、「スキャンダル」のケリー・ワシントン、「エクスタント」のハル・ベリーらの名を挙げながら、関係各位に向けて力強いスピーチを行った。

コメディシリーズ部門では、米副大統領について描く「Veep」が主要4部門(作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞)を受賞。5年連続、同部門・作品賞を受賞していた「モダン・ファミリー」を抑えての受賞に、会場は大いに盛り上がった。また、主演女優賞を受賞したジュリア・ルイス=ドレイファスのスピーチでは、同部門にノミネートを果たしたエイミー・ポーラー(「Parks And Recreation」)がパーカー姿で居眠りをするなど、コメディシリーズ部門ならではの笑い溢れる演出が光っていた。

リミテッドシリーズ/テレビシリーズ部門では、米HBOの「Olive Kitteridge」が13部門ノミネート中、作品賞、主演男優賞、主演女優賞を含む6部門を受賞。助演女優賞以外の主要部門を制覇し、圧倒的存在感を示した。