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第58回グラミー賞最多11部門にノミネート! 今、世界が最も支持するケンドリック・ラマーとは・・?

2015年12月10日
ケンドリック・ラマーケンドリック・ラマー
WENN.com
今年の3月(日本では5月)に発売された2ndアルバム「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」が全米2週連続1位を獲得、全英でも初登場1位となり、発売開始より僅か2週間ほどで100万枚を売り上げ、全世界で大ヒットしたケンドリック・ラマー。

海外のメディアでは「「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」は、音楽の離れ業だ」 The Guardian、「現代の、数少ない本物のヒップホップ・アルバムのうちの1枚」 Gigwise、「このアルバムは、壮観以外の何者でもない」 GQ Magazineなど、このアルバムを大絶賛している為、第58回グラミー賞にて11部門もノミネートされたことは“当然だ”という人も少なくはない。

ちなみに、11部門でのノミネートは、1983年のマイケル・ジャクソンによる最多12部門ノミネートに次ぐ歴史的快挙であり、あの誰もが知る米ラッパー エミネムでも10部門ノミネートが自身の最多というから、今回のケンドリックの11部門でのノミネートは“大事件”なのだ。

第58回グラミー賞にノミネートされた部門一覧

①【主要部門】
年間最優秀アルバム「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」
②【主要部門】
年間最優秀楽曲「オールライト」
③最優秀ラップ・パフォーマンス「オールライト」
④最優秀ラップ/ソング・コラボレーション「ジーズ・ウォールズ feat. ビラル、アンナ・ワイズ&サンダーキャット」
⑤最優秀ラップ・ソング「オールライト」
⑥最優秀ラップ・ソング「オール・デイ」(カニエ・ウェスト)
⑦最優秀ラップ・アルバム「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」
⑧最優秀ミュージック・ビデオ「オールライト」
⑨最優秀ミュージック・ビデオ「バッド・ブラッド」(テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー)
⑩最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)「バッド・ブラッド」(テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー)
⑪最優秀ダンス・レコーディング「ネヴァー・キャッチ・ミー」(フライング・ロータス feat. ケンドリック・ラマー)

【動画】第58回グラミー賞4部門にノミネート! ケンドリック・ラマー「オールライト」ミュージック・ビデオ


ケンドリック・ラマーという人物とは?

“K-dot”の愛称でも親しまられるケンドリック・ラマーは、現在28歳のアメリカ人ヒップホップMCであり、天才リリシスト。インディー時代にオンライン配信したミックス・テープがドクター・ドレーやゲームの耳に留まり、瞬く間に西海岸で話題のラッパーとなる。ギャングスタ・ラップの発祥地、ロサンゼルスのコンプトン出身でありながら彼の作る音楽の視野は広く世界中で絶賛される。ケンドリックの最大の身旅行は、まるで“物語”のようなその鋭く優れたリリックと、観る者全てを圧倒させるライヴでのパフォーマンスだ。第58回グラミー賞にノミネートされた最新アルバム「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」は、音源のリークにより予定より1週間早く突如デジタル配信されたが、発売開始から24時間足らずで世界43の国と地域のiTunesアルバム・チャートで1位を獲得した。

ケンドリックが発するメッセージは、白人による黒人差別への批判など政治的なものが多く、それは、ただ白人を批判しているのではなく歴史的根拠や実体験に基づいているものだから、とても説得力が高い。例えば、「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」のジャケット写真は“奴隷船”を連想させるものになっており、歌詞を見ると、そこには太い幹が通っており、それは奴隷制時代からの延長線上にあるアフリカン・アメリカンの閉ざされた現状の中で、自分はあちこちに仕掛けられた罠にハマることなく成功を手にしたが、自分ひとりが抜け出しても所詮、世界は変わらない、という葛藤が描かれている。

また、ケンドリックは地元カリフォルニアの州議会上院議員のイザドール・ホール3世議員より、“第35代・次世代アイコン賞”の表彰を今年5月11日に受けた。表彰は州議事堂の上院で行われ、ケンドリックが育ったコンプトンも選挙区に抱えているホール議員は次のようにケンドリックを称えたと米ローリング・ストーン誌が伝えている。

「ラマーさんはプロのアーティストになってから10年足らずでマルチ・プラチナ・ディスクを獲得し、ビルボード・チャート1位も獲得し、グラミー賞にも2度輝くという、27歳(当時)の青年としてはとてつもない偉業を成し遂げています。しかし、ラマーさんはこうした成功と名声に溺れることもありません。コンプトンを訪れてみてわかるのは──同輩議員のみなさんにはぜひコンプトンを訪れてみることをお勧めしますが──ラマーさんは今でも地元ではみんなと顔馴染みの人物なのですよ」

音楽だけでなく、社会的な活動などあらゆる面に置いて全世界の支持を集める若き天才、ケンドリック・ラマーが日本でパフォーマンスを行ったのは、過去を見返しても2013年のFUJI ROCK FESTIVALのみ。

1983年のマイケル・ジャクソンの“グラミー賞12部門ノミネート”に次ぐ歴史を築くこととなった傑作アルバム「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」が何部門とるのか期待がかかる。


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