「HEY！レイモンド」最強の姑役を演じたドリス・ロバーツが死去

米CBSで1996年から2005年まで放送された人気コメディ「HEY!レイモンド(原題: Everybody Loves Raymond)」で、レイモンドの母親マリー・バローネ役を演じたドリス・ロバーツが17日、亡くなった。享年90。

ごく平凡なアメリカ人家庭の日常をコミカルに描き、大ヒットした「HEY!レイモンド」。業界からも高く評価され、1999年から2005年にかけて毎年エミー賞の複数部門にノミネート。受賞してきた。”押しの強いレイモンドの母親で、レイモンドの妻にとって最大の宿敵”である人気キャラクター、マリー役を演じたドリスは、同役で7年連続エミー賞助演女優賞にノミネート。4回受賞している。

そんなドリスの訃報を19日、複数の米メディアが伝えた。米FOXニュースによると、ドリスは17日、就寝中に息を引き取ったとのこと。死因は不明。病気を患っていたわけでなく、健康で元気に活動してきたとのことで、先月も映画俳優組合のイベントに出席し「年老いた俳優が演じられる役が少なすぎる。なぜなのか」と訴えたばかりだった。

「HEY!レイモンド」でレイモンドを演じたレイ・ロマーノは、「彼女のエネルギーとスピリットには本当におどろかされた。止まるなんてことはしない、走り続けていた人だった」「プロとして働く彼女、数多くのチャリティーで活動をしている彼女、俳優を目指す青くさい喜劇役者を育て導いてくれる彼女。彼女は何をするにも大きな愛を込めて行ってきた。彼女が亡くなり心から悲しい」と哀悼の声明を発表。

レイモンドの妻役を演じたパトリシア・ヒートンは、Twitterにドリーに宛てた詩と「私たちの愛するマリー、安らかに眠ってください」という追悼ツイートを投稿。番組プロデューサーのフィル・ローゼンタールも、「私たちの愛する、偉大なるドリス・ロバーツ。ワンダフルでおもしろく、永遠に私たちの記憶に残る女優で友人よ」と彼女の死を悼むツイートをした。

ドリスは、1925年11月4日にミズーリ州セントルイスに生まれ、ニューヨークで育った。50年代からブロードウェイでキャリアをスタートさせ、テレビ界に進出。「HEY!レイモンド」のほかにも、80年代の人気ドラマで、ピアース・ブロスナンの出世作としても有名な「探偵レミントン・スティール」などに出演。アメリカ・テレビ界の名助演女優として活躍し続けた。「HEY!レイモンド」放送終了を迎えたときには79歳になってたが、「これから、どうなるかしらね。誰も年寄りのための役なんて書いてくれないし」と発言。オファーがあれば、仕事を引き受ける姿勢を見せていた。

2005年には、得意の料理レシピを紹介した自叙伝「Are You Hungry, Dear? Life, Laughs and Lasagna」をリリースしたドリス。1962年に離婚したマイケル・キャナータとの間に1人息子をもうけており、3人の孫にも恵まれたと伝えられている。