“ジェームズ・ボンド”俳優、ロジャー・ムーアが死去 盟友ショーン・コネリーも「ハリウッドでは得難い友情だった」

スパイ映画の金字塔「007」シリーズにて、三代目主人公ジェームズ・ボンドを演じた俳優ロジャー・ムーアが死去。89歳だった。

Varietyによると、ムーアは5月23日、スイスにて死去。故人の家族がSNSを通じ、「短くも勇敢なるガンとの闘いの末」亡くなったことを明らかにした。この声明は、ムーアの3人の子(デボラ、ジェフリー、クリスチャン)の名で発表され、「パパ、いつもあなたらしくあってくれてありがとう。とても多くの人々にとって、特別な人であってくれてありがとう」とつづられている。

ロジャー・ムーアは、1973年、シリーズ第8作にあたる「007 死ぬのは奴らだ」でボンド役に就任。以来、「美しき獲物たち」(1985)まで7作にわたってシリーズ作品に出演し、これは現在まで続く「007」ボンド役歴代最多出演記録である。以来、ボンドの役柄はムーアにとって代名詞となり、初代ボンドのショーン・コネリー(86)と並び称されるほどの支持を得ている。

なお、コネリーとムーアは、公私にわたって親しい間柄で、TheHollywoodReporterに対してコネリーは、「ロジャーの死を知らされ、とても悲しんでいます。私たちはハリウッドの常識ではなかなかありえない、長い友情を結びました。それはジョークと笑いに満ちたものであり、彼を恋しく思います」との声明を明らかにした。

ロジャー・ムーアは、スクリーンに加えて、「セイント 天国野郎」(1962～69)、「ダンディ2 華麗な冒険」(1971～72)といったテレビシリーズでも活躍。ユニセフ大使としての顔も持ち、2003年にナイトの称号を与えられ、2007年にハリウッド殿堂入りを果たした。