全米公開中の「ピッチ・パーフェクト３」、性暴力の疑いのあるR・ケリーの曲を使いファンから非難の声

全米で公開中の大人気シリーズ最新作「ピッチ・パーフェクト3/Pitch Perfect 3(原題)」。劇中で人気R&BシンガーのR・ケリーの楽曲を使用し、ファンから非難の声が挙がっている。

アナ・ケンドリック、ヘイリー・スタインフェルドら人気女優が出演する映画「ピッチ・パーフェクト」は、女性のみで構成されたア・カペラ合唱団「バーデン・ベラーズ」の奮闘を描くミュージカル・コメディ。これまでに2作が制作され、いずれも大ヒットを記録。その第3弾となるシリーズ最新作は、全米で12月22日より公開中だ。

そんな中、米Refinery 29や米TeenVogueが報じたところによると、R・ケリーの楽曲「Ignition (Remix)」を劇中で使用しているということで、作品が非難を浴びているという。というのも、BuzzFeedが今年7月、R・ケリーに関する告発記事を出したのだが、その中でR・ケリーが若い女性たちを洗脳し自宅に軟禁、セックス・カルト化していると報じたのだ。

R・ケリーは報道を否定しているが、そのような疑惑が報じられた人物の楽曲を、女性ア・カペラ合唱団の活躍を描く本作で使用したことで、否定的な意見が生まれてしまった。

これを受けRefinery 29は、同作のメガホンを取ったトリッシュ・シー監督を直撃。物議を醸している「Ignition (Remix)」を使用した理由は、「大勢が知っていて、多くの人が好きな楽曲だから」と説明。ただし、「あの曲を使ったことで気分を害してしまった人がいたとすれば、申し訳なく思う」ともコメントした。

10月に大物プロデューサー ハーヴェイ・ワインスタインが、長年にわたり女優やスタッフに性的な嫌がらせや暴力を行ってきたことが明るみになった。それをきっかけに、多くの女優や業界人が、ハリウッドの俳優や制作者らから受けたセクハラ被害や性犯罪を告発するSNSキャンペーン「#METOO(私も)」運動が広がっている。そういった背景があるだけに、R・ケリーの楽曲を使用するという製作陣の決断に納得できない者も多いようだ。