今度こそ？ 大友克洋作「AKIRA」、「マイティ・ソー バトルロイヤル」タイカ・ワイティティ監督によってハリウッド実写映画化か

大友克洋(63)が原作の漫画「AKIRA」が、今度こそハリウッドで実写映画化か。映画「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ(42)が監督を務める可能性が浮上している。

「AKIRA」は1982年から連載を開始した、大友によるSFコミック。近未来の荒廃しきった巨大都市での物語を、不良少年・金田、鉄雄、そして謎の存在“アキラ”を中心に描いている。1988年には、大友本人の手によってアニメ映画化。日本国内だけでなく諸外国でもヒットし、主人公・金田のバイクはあまりにも有名。オタク文化をふんだんに取り入れたスティーヴン・スピルバーグの最新作「レディ・プレイヤー1」にも登場している。

これまで幾度となく実写映画化の可能性が報じられてきたものの、話が具体的に進む様子は一向になかった。今回の実写化を報じたDigitalSpyも、「あくまで可能性」とかなり懐疑的だ。しかし以前より、実写版「AKIRA」の監督候補として名前が挙がっていたワイティティ監督は、話がまだ立ち消えになっていないことを公表。Dazed Digitalに対し、「まだきちんと考え始めてはいないけれど」と構想を明かしている。

「ぼくがやりたいのは、原作漫画の実写映画化だ。なんといっても、あまりに多くの人が“アニメ版には手を出さないで!”って態度だからね。自分としても、リメイク版を作る気はないんだ。原作に立ち返りたい」

タイカ・ワイティティは、アニメ版のファンといえど、多くの人々が「AKIRA」の原作は未読であることを指摘。「6巻分もの巨大な物語」について、「とても充実した内容」と熱弁している。

「映画版の『AKIRA』も、個人的に大好きな作品のひとつなんだ。13歳のとき、母がこの映画を観に連れて行ってくれたことで、人生が変わった」





近年、日本のコミックやアニメをもとにして、ハリウッドで実写映画が作られる例は多いが、これらの作品は高く評価されてはいない。同メディアは「DRAGONBALL EVOLUTION」(鳥山明作「ドラゴンボール」をもとにした2009年の映画)や、「ゴースト・イン・ザ・シェル」(士郎正宗作「攻殻機動隊」をもとにした2017年の映画)を「最悪なハリウッド的解釈映画」と揶揄し、特に後者では批判の声が大きく上がった、白人キャストばかりを起用する「ホワイトウォッシュ」といった問題点を指摘している。実写版「AKIRA」が、ファンを中心に強烈な批判にさらされる可能性は低くないと思われる中、ワイティティ監督はどう考えているのか。

タイカ・ワイティティは、IGNに対し、原作に準じて本作には「10代のアジア人を起用する」と名言。「それが自分のやり方で、おそらく無名の役者を取る。まだ発掘されていない、スクリーンとは無縁の才能を見つける」と意欲を示した。

今度こそハリウッド版「AKIRA」は実現するのか。そして作品は、ファンのお眼鏡にかなうものとなるのか。続報を待ちたい。