ＤＪ Ａｖｉｃｉｉ（アヴィーチー）、体調不良や突然の名声に苦しんだ過去を関係者が振り返る[動画あり]

スウェーデン出身の人気DJ/音楽プロデューサーのAvicii(アヴィーチー)[本名:ティム・バークリング]が、4月20日に死去。彼の“本当の姿”を知る周囲の人々が、彼の過去を振り返った。

アヴィーチーは、現地時間4月20日金曜日の午後、オマーンの首都マスカットで死亡しているのが発見された。家族はプライバシーを尊重することを願い、死因については明かされていない。

アヴィーチーは、2011年にリリースした「Levels」がヒットし、一気にスターダムに登りつめ、グラミー賞にもノミネートされた。その翌年デヴィッド・ゲッタとコラボした「Sunshine」でもグラミー賞にノミネート。その後2013年には「Wake Me Up」が世界中で大ヒットし、多くのチャートで1位を獲得するなど、順調にキャリアを重ねてきた。

【動画】Avicii 「Wake Me Up」


しかしアヴィーチーは2016年にツアー活動からの引退を発表。Washington Postによると、その決断は決して簡単なものではなく、周囲で支えてくれている人々やビジネス契約を結んだ人々、そしてファンにツアー引退の決断を伝えることはアヴィーチーにかなりプレッシャーを与えたという。

アヴィーチーは2016年のツアー引退表明のコメントで「2週間前、友達やクルーとアメリカを車で横断したんだ。物事の見方を変えるためにね」「その旅は、僕がずっと悩んでいたことを変えるのにとっても重要だった」と、綴っている。

彼は自分が得ることができた経験や成功に関しとても感謝していたが、毎日の生活は多忙であり、“アーティストとしてのアヴィーチーの後ろにいる一人の人間(真のアヴィーチー)”が息苦しさを感じていたことも告白した。

さらにアヴィーチーは2014年、胆嚢と虫垂を取り除く手術を行った影響で多くのコンサートをキャンセルしている。これらの健康上の問題も、彼をツアー活動からの引退に導いた要因の一つだと話している。

また、6ヵ月前に公開されたアヴィーチーのドキュメンタリー映画「Avicii: True Stories,」では、トップアーティストであるアヴィーチーの健康問題、友人関係などが仕事と混ざってしまう難しい場面や、ヘッドライナーとしてステージに上がる前に強い恐怖を感じる場面なども見られるという。

【動画】AVICII: TRUE STORIES トレーラー


同映像の監督Levan Tsikurishviliは映像公開当時、「この映画は若い人々にとって勉強になると思う。彼の人生は、SNSで見ると刺激的でグラマラスなように見えるが、その裏でなにが起こっているかなどはみんな分からないんだよ」と、アヴィーチーの人生が簡単なものではなかったと話している。

アヴィーチーの楽曲「Levels」をリリースしたレコード会社の社長ニール・ジェイコブソンは過去、アヴィーチーの才能に関し「彼はショーやセット、人々の踊らせ方のすべてを熟知していた。ここで人々をしんみりさせ、再度盛り上げて、また静かにさせるっていうタイミングもね。観客はショーの間、理由も分からないまま勝手に涙が出てくる。それが彼のやりとげたこと。彼の才能だ」と、アヴィーチーを称賛している。